ゴーストマスター(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

本作は『死霊のはらわた』などの80年代ホラーのオマージュがてんこ盛りの作品になってます。テンポ良く進む話に適度な笑いが絶妙で、こういった作品が苦手な方でも比較的見やすい作品に仕上がっていると思います。

B級感全開のグロテスクホラーコメディ。ここまでグロに寄せると、禍々しさが清々しさにかんじてしまい、かえって観やすかった気がします。

懐かしい感じがしました。これぞB級ホラーの真骨頂！成海璃子さんも良かったですし、大満足です。

オマージュにオマージュを重ねていくとどうしてもチープになってしまいます。が、本作は一周回って魅力的に感じる作品になっていました。本作が初監督のヤング・ポール監督には丸く収まらず是非ともこのまま突き進んでほしいですね。

成海璃子さんや三浦貴大さんらが出演する「ゴーストマスター」は、B級ホラーの助監督が監督やスタッフに言いたい放題言われながら、心の支えにしている自ら書いた台本を常に持ち歩いていて、それに悪霊の宿るという映画です。つまり、B級ホラー映画の中のB級ホラー映画の撮影中に悪霊による騒動が起こってしまったという、全てがB級感溢れる作りに苦笑しました。作品作りに情熱を注いでいる若者たちの群像劇というと微妙であり、劇中の登場人物たちは真面目に映画作りに取り組んでいるようだけれども、意識的にB級風に作り上げられた世界観は、ポンコツ感があって面白いと思います。そもそも、助監督が持つ台本に、助監督の執念や怒りなど複雑な感情が台本に悪霊を宿らせたという設定から、既にレトロなホラー映画を感じさせてくれます。この映画は、実際に美しい映画ではありません。現代において手作り感を感じさせる作りの映画は減り、CGモデルやVFXを使って演出するのが当たり前になっています。登場人物たちが言う台詞は、現実の映画界を風刺しているようにも思えます。自分の気持だけで演技する役者、キュンキュンすれば、客が感動してくれるという誤解、原作・予算のせいにして、観客を馬鹿にするようなものに仕上げる監督というように、映画業界の人たちが実際に経験したような内容を盛り込んでいる点は、映画業界の人たちにはキツイ言葉かなと思います。

私はゴーストマスターを観て2点の感情を抱きました。先ず1点目はグロテスクなシーンにメリハリがあった事です。台本が顔に当たり、ゾンビ化してしまうシーンとかには鳥肌が立ち、グロさをかんじました。しかし、目玉が飛び出るシーンとかは、本来グロいはずなのに、リアリティがあまりなく、グロさよりかは笑いの方が何故か込み上がってきました。2点目はストーリー性の奇抜さに驚きました。映画監督を目指す映画は映画監督になる為に、試行錯誤を繰り返し、壁を越えていきながら、誰にも認めてもらう映画を制作するといった流れが王道だと思います。しかし、本作品は映画監督になる為に演者が命を掛けなければなりません。王道のストーリーから見たら邪道なストーリーだと思います。しかし、より良い映画にする為には、いくら監督高が命をかけて頑張ってもよい作品は生まれません。よい作品を作る為には演者の力が必要です。その為には縁者も監督と同様にあなたを掛けて演じ切らなければなりません。本作品は邪道のように見えるストーリですが、私には映画は監督と演者が命を掛けてつくらなければ、人々を魅了する良いがを制作することができないというメッセージが込められているように感じました。

三浦貴大、成海璃子の2人が大好きなので、キャスティングから非常に魅力的に感じました。成海璃子はとくに、この作品で女優魂を見せてくれているなと感じました。狂った役もなんなくこなすほどの演技力を持つ彼女のおかげもあって、映画を見始めるとすぐにストーリーに引き込まれていきました。まだ彼女が高校生役でも自然に見えるというのもその彼女の美しさのおかげもあると思います。笑えるシーンとホラー要素が混じった新しい感覚を味わえる作品だなと思いました。ユニークがボケが癖があって、でもそのおかげで退屈することなく終始観賞することができたように思います。タランティーノの扱い方には本当に笑わされます。特殊メイクについて、かなりクオリティが高いなと驚きました。それのおかげでもあると思うのですが、B級と言われながらも完成度の非常に高い映画になっていたと私は感じました。笑いながら見られるホラー映画だという意味で個人的にかなり気に入った作品なので、これから何度も見返していきたいです。笑いたい、でもホラーが見たいという人はもちろん、本格ホラー系作品が好きな人にはとくに一度は見てほしいオススメ映画です。キャストの演技力、演出、ストーリー構成や音楽など様々な面で大満足すること間違いなしです。