アローンインザゼット(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

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アローンインザゼット(映画)の内容

映画『アローン・イン・ザ・ゼット』は、2017年3月にアメリカで公開されました。

ロッド・ブラックハースト監督によって手掛けられた本作は、2016年トライベッカ映画祭において観客が騒然とした新感覚ゾンビ・スリラーで、同映画祭の観客賞を受賞しました。

物語の舞台は、近未来のニューヨーク北部。謎の感染病により圧倒的な恐怖と、夫と娘を亡くした絶望の中で一人での終末サバイバルの姿が描かれており、ルーシー・ウォルターズをはじめ、シェーン・ウェスト、ジーナ・ピエルサンティ、アダム・デヴィッド・トンプソンなどが出演しております。

過去に何作品もゾンビ映画を見てきましたが他作品とは異なる、不思議な魅力が詰め込まれた感慨深い妙な作品で、一度物語に入り込むと中々抜け出せません。

スリルもパニック要素もないですが、じわじわとくる絶望感を感じさせられました。

パニック系のゾンビ映画を観たいという方にはオススメ出来ませんが、コシをすえて映画を観たいという方には見応えがある作品だと思います。

ゾンビ映画でありながら、ゾンビをあまり出さない。それでも、このジャンルの映画が成り立っていることにビックリしました。

あらすじ

謎のウイルスが世界を席捲し、感染者が溢れかえった世界。ニューヨーク北部も、謎の感染病の猛威によって荒廃してしまいました。

食品を売る店を営んでいたアンと夫のジェイソン、そして二人の赤ちゃんは森の奥に避難します。アンはジェイソンから荒野で生き残るサバイバル術を教わりながら、三人で生きながらえていきました。

ある日、赤ちゃんの高熱が続いたため、ジェイソンが人家へ薬を調達しに行ったところ、感染者に襲われてしまい死亡。続けて赤ちゃんも死んでしまい孤独になったアン。

そんなある日、人の声を聞いたアンはオリビアと重傷を負った義父のクリスを助けます。そこから三人のサバイバル生活が始まるのですが、待ち受けていたのは悲劇的な結末でした…。

見どころ

リアルな人間ドラマ

本作はゾンビ映画です。しかし、グロ系グチャグチャのゾンビ映画とは趣を異にし、ゾンビに追いかけられるといったハラハラする展開もほとんどありません。

孤独に生きる極限状態に陥った人間のドラマとして観た方が楽しめる作品に仕上がっており、こういったゾンビ映画は初めてでした。

監督はなんというか「胸が張り裂けそうな感じ」の映像を撮るのが物凄く上手でしたので、より本作の良さを活かしてくれているように思えます。

芸術性の高いゾンビ映画

物語の前半部分を占めるアン役のルーシー・ウォルターズによるサバイバルは良い雰囲気を出していました。また、物語の最後まで映画自体は丁寧に撮られていますし、彼女以外のキャストの演技だったり演出などは、かなりレベルが高いです。

ホラーやアクション、パニック映画ではなく、もっと高尚な芸術性の高い映画作品になっているので、今までに見たことのないゾンビ映画を鑑賞したい方に大変オススメの一作です。

スタッフ

監督：ロッド・ブラックハースト
脚本：デヴィット・エベルトフト
製作：ロッド・ブラックハースト / デヴィット・エベルトフト

キャスト

アン：ルーシー・ウォルターズ
夫のジェイソンからサバイバル術を教わり、ゾンビに襲われる前に森の奥に避難していた女性。

ジェイソン：シェーン・ウェスト
アンの旦那。猟銃の使い方や食べられる木の実を見分けるなどサバイバル術に長けている。

オリビア：ジーナ・ピエルサンティ
アンによって助けられた少女。義父になるはずだったクリスに、ひそかな想いを寄せている。

クリス：アダム・デヴィッド・トンプソン
オリビアの義理の父。アンのサバイバル生活に感心し、一緒に生活することになる。

アローンインザゼット(映画)の感想

30代男性

大抵の場合、人類終末もの映画は人類の救済を描くまでがお約束になっているわけですが、この映画は一味違います。ありきたりなゾンビものとは異なり、規模の大きさと設定の激しさはそのままによりリアルさが追求されており、ある種のシミュレーション的な側面が強調されています。映画に限らず、極限状況におけるサバイバル術に関する書籍や映像作品は多く作られており、その中にはゾンビパンデミック後の生き延び方を真面目に論じたものもあるようですが、実際にそうなったら人はどう行動していくのか？　という疑問に対する回答としてもこの映画はおすすめできます。映画の舞台はゾンビ感染症によって文明の99％が崩壊した現代?近未来。主人公アンは一児の子を持つごく普通の主婦ですが、夫が自然やサバイバルについて精通していた事が幸いして何とか生きながらえています。こういう人でなければ確かに生き延びられなかったろうなという状況である一方、軍人や専門家を主人公にしてしまうと従来と同じような映画になってしまう為、この設定がぎりぎりの選択であったのであろうと思います。この映画の主題はあくまで極限状況における普通の人間の様子を描いたものなので、アンに特殊な知識や技術、ファンタジーな才能はありません。アンはしばしばヘマをやり、選択を間違え、その償いは与えられません。その様子にはもどかしさすら感じますが、だからこそリアルでもあり、これこそがこの映画の真骨頂の部分といえるでしょう。どれだけつらい目に会おうと何とか生き延び、幸せをつかもうともがく人間の逞しさと醜悪さが、徹底的な悲惨の中で輝く映画です。

まとめ