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ヒューマンドラマ

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夜のピクニック(映画)の内容

2006年9月に公開された映画『夜のピクニック』は、全国の書店員が選ぶ第2回本屋大賞を受賞した、恩田陸の同名ベストセラー小説を映画化した青春ドラマです。

高校生活の最後を飾る伝統行事「歩行祭」を舞台に、24時間かけて80kmの道のりを、ただひたすら親友たちと夜を徹して歩く様子を描いた本作は、非日常の中で浮き彫りとなる友情や葛藤などによって成長していく高校生の姿が甘酸っぱくほろ苦い・・・そして清々しい感動を覚える作品です。

「ココニイルコト」「ソウル」の長澤雅彦監督がメガホンを取り、多部未華子を主演に、貫地谷しほり、柄本佑、加藤ローサなど、今ではすっかり個性派の当時の若手俳優が集結しました。

最後にほっとして、じんわりと感動にひたれる映画です。
原作のほうも読み返してみたいと思います。

原作の雰囲気に近く、興味深く観ました。出演されている役者さんにも違和感がなくて良かったですね。タカコちゃんが可愛いかった!

小説のような心の揺れ動き、機微はなかなか映像化するのは難しいようですが、若き日の多部未華子さんが好演していてなかなかよかったです。

歩行祭でただずっと歩いているシーンばっかりなんですが、友達や、家族、誰にも言えない秘密とか、そういうのがうまく描かれていて最後は何故か涙しました。
もっと、青春しとけばよかったなぁ、ってしみじみ思ったのは確かです(笑)
ともかく、大好きな映画です!

あらすじ

全校生徒1000人が24時間かけて80kmを歩く高校の伝統行事「歩行祭」。3年生の甲田貴子(多部未華子)は、最後の歩行祭となる特別なこの日に、自分の中で賭けをしました。それは、クラスメイトの西脇融(石田卓也)に声を掛けるということ。貴子は、恋心とは別のある理由から西脇を意識していたのですが、一度も話をしたことがなかったのです。実は2人の間には、親友にも言えない秘密があったのです。ところが、ふたりの不自然な様子をクラスメイトは誤解して告白するようけしかけるのですが…。

見どころ

アイドルはNG!?

本作のロケは、原作者の母校であり、この作品の舞台となっている茨城県立水戸第一高等学校で行われたそうです。そして、出演者は「アイドルっぽくない俳優を使ってほしい」という著者からのリクエストがあり、その要望に添ったキャスティングになった、といいます。

そんなエピソードの中、選ばれし出演者のアイドルっぽくない演技に注目です。

スタッフ

原作:恩田陸
監督:長澤雅彦
脚本:長澤雅彦、三澤慶子
音楽:REMEDIOS、DAKOTA STAR
主題歌:MONKEY MAJIK「フタリ」(binyl records)

キャスト

甲田貴子:多部未華子
シングルマザーの母に育てられた高校3年生。

西脇融:石田卓也
貴子との間に秘密がある同級生。

戸田忍:郭智博
融の親友。内堀亮子の元カレ。貴子のことが好き!?

遊佐美和子:西原亜希
貴子の親友で和菓子屋の娘。

後藤梨香:貫地谷しほり
融と貴子のクラスメイト。戸田忍の事が好き。

梶谷千秋:松田まどか
融と貴子のクラスメイト。

高見光一郎:柄本佑
融と貴子のクラスメイト。

内堀亮子:高部あい
美和子のクラスメイト。戸田忍の元カノでプレイガール。

榊杏奈:加藤ローサ
貴子と美和子の親友で帰国子女。

榊順弥:池松壮亮
杏奈の弟。アメリが在住だが、歩行祭に参加するために帰国する。

矢部:海老澤健次
野球部員。

さくら:近野成美
実行委員。

藤巻:嶋田久作
教師。

校長:田山涼成

貴子の母:南果歩

 

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夜のピクニック(映画)の感想

50代女性
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高校生の学校行事で夜通し歩く、つまり一晩かけてピクニックをした女子高生の話ですが、思わず高校時代の友達はどうしているのかな?と同窓会を開きたくなりました。夜の道を友達といろいろな話をしながら歩く、その時にいろいろなことを考えたことでしょう。恋愛の話や相談をしたり、将来への不安を語ったり、親との距離の取り方などを語ります。友達と語ることで見えてきたことや気づいたこともあるでしょう。また、歩き疲れた時に励ましあうことでゴールできた時の喜びもあるし、友達との友情の絆も硬くなります。そしてこの「夜のピクニック」という行事を支えているのが、保護者や地元の方々です。多くの人の協力でこの行事が成り立っているのだということも実感できるでしょう。そして自分が生まれてから今日までこうやて元気に生きているのは多くの人の支えがあるからだということも、実感できる行事だと思います。高校時代に友達と語ったことなどは大人になっても意外と覚えています。30年も40年も経過しても、男子が語った名言ともいえるような言葉を覚えていたり、面白い子が言った冗談やダジャレを覚えていたりします。また、教師の言った言葉で印象に残っているものもあります。多感な高校生が一晩中歩くというこの行事、実際に行っている高校もあるようですが、得られるものは大きいと思いました。そして高校時代のいろいろな出来事を思い出すことができて、とても懐かしい気分にさせてくれました。できればあの頃に戻って、もう一度しっかりと勉強し直したりいろいろなことにチャレンジできたらいいなあ~と思ったけど、それは叶わぬ夢ですね。元気いっぱいの高校生が羨ましいです。

30代女性
30代女性

何度も何度も見返している、大好きな作品です。見るたびに高校生の頃のドキドキを思い出します。高校生活最後のイベントの「歩行祭」の中でのストーリーで、登場人物がゴールを目指してみんなで歩いている中での、いろんな人の出来事が起こるという、ただそれだけの映画です。「並んで一緒に歩く、ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろうね」というセリフがとても印象に残っていて、こういう「ただ歩くだけ」という行事でも、学生の頃は本当に特別で、あとから思い出してもとても大事に残っているもので、この映画を見ていると当時のことを思い出すことができます。しかも夜に歩くというのは、きっとこの年頃の子たちには本当に特別となるイベント。この空気感の中で起こる様々な人間模様、大きなことではないけれど、それでも特別に感じてしまうのが不思議な、当時の感覚を思い出します。多部未華子さんはとてもかわいくて、思春期の頃の高校生の難しい時期の気持ちを、演技で上手に現わせていたと思います。個人的には石田卓也さんの、思春期ならではの男の子の恥ずかしがる演技がとても好きで、当時の自分の気持ちを思い出しました。観終わった後、さわやかで、スッキリした気持ちになれる良い作品です。

50代女性
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主人公は、多部未華子さん。最近、様々なドラマで、悩める女性を演じて、視聴者の心をわしづかみにしている、他にはない実力と不思議な魅力を兼ね備えた女優さんです。2006年に作られた映画なので、本編に登場する彼女はかなり若い、というより、むしろ幼い感じなのですが、現在に通じる演技力と魅力は、当時から、十分に発揮されています。ストーリーは実に単純明快で、一昼夜かけて80kmを歩く「歩行祭」を舞台に、高校生の日常が描かれる作品。それだけなのに、なぜなのでしょう。ああわかるなあ、高校生ってこうだよなあという、懐かしくて甘酸っぱい思いが、胸にこみあげてきます。映画って普通、頑張って盛り上げなくちゃ見たいな気負いがあって、逆にそれが視聴者を疲れさせたり、飽きさせたりすることが多いものですが、この映画はまったく逆。気負いがない分、観ているものは、まるで彼らと一緒に80kmを歩きながら、高校生に戻ったような気分に浸って、映画の世界に入り込んでしまうのです。見終わった後、胸の奥の一番深いところが、ほんわかと温かくなるような、懐かしくもせつない思いが、あなた自身の心に広がることでしょう。高校生や若い方にはもちろん、私のような年配の人にも安心して楽しめる素敵な作品です。

 

30代女性
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激しさもなく大事件という展開があるわけでもなく、回想を挟みつつもタイトル通りの一夜だけの映画です。しかし、学校のたった一日のイベントが一生の青春になるという誰しも覚えがあるような瑞々しくも特別な夜ということが伝わってくるとても素晴らしいストーリーです。なんとなくお互いを意識しつつも、しかしお互いに避けている高校生男女の距離感が非常にリアルで良い描写です。高校生時代の自意識をアニメーションキャラで表現されているところは1回目視聴時はあまり上手いとは思えなかったのですが、それも大事なシーンであり、のちのちのただの青春でも恋愛でもない二人の重大な秘密へと繋がるのでもう1度見返す時には良い演出と思えるようになります。そして一番好きなシーンはやはりそんな二人がようやくゆっくりと話が出来て交流するクライマックスシーンです。朝日が登り始めた頃の明るくキラキラした道中を二人で歩幅を歩いてたわいもない話すだけなのですが、今までのシーンの積み重ねで感慨深さが違います。この映画を好きになれる点として、もうひとつはメインストーリーだけではなくサブサトーリーも魅力的であるということです。個人的には根暗だけど実はロックが好きという同級生が好きで、一夜を経て皮が抜けていくのは良いコメディとしてほっこりできます。

20代女性
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私は、 映画『夜のピクニック』を観て、「迷いながらも一歩踏み出そうとする主人公の姿」と「明らかになるそれぞれの気持ち」が特に魅力的だと思いました。まず、迷いながらも一歩踏み出そうとする主人公の姿についてです。この作品では、学校行事の「歩行祭」を通して、少しずつ変化していく高校生たちの姿が描かれます。主人公の女子高生はある秘密を抱えており、高校最後の歩行祭でその秘密にけじめをつけようと考えていました。主人公が自分の抱える秘密と向き合い、歩行祭の中で小さいながらも行動を起こしていく姿に、勇気と癒しをもらいながら観ていました。次に、明らかになるそれぞれの気持ちについてです。歩行祭では、高校生たちが夜通し歩いてゴール地点を目指します。歩き続け疲労がたまる中で、主人公をはじめとした高校生たちはこれまで明かすことがなかった自分の気持ちを友人たちに打ち明けていきます。ふいに口に出した言葉から、打ち明ける決意を固めてようやく口にした言葉まで、高校生たちの発言から見た目では分からない繊細な気持ちが感じられて、自分が高校生だった頃と重ね合わせ懐かしい気持ちになって観ていました。また、気持ちを打ち明けた後の高校生たちのやり取りから絆がさらに強くなっていることが伝わってきて、自分もこの行事に参加したいと羨ましさを抱いて観ていました。

 

30代女性
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最初は高校生同士の爽やかな恋愛映画かなと思いながら見始めたんですが、良い意味で裏切られました!主人公の多部未華子さんはこのストーリーにぴったりな初々しく飾らない爽やかなお芝居で、他のキャストもとてもナチュラルで、映画全体の雰囲気も良かったです。物語は、歩行祭と夜通し長距離をみんなで歩くだけなんですが、歩みと共それぞれの想いが少しずつ見えてくるんです。彼らがもし大人だったとしたら、こんなに悩んだり、気にすることはなかったと思うけど、普段の学校生活とは違う環境の中で青春時代の多感な時だから、精一杯の勇気を出して一歩踏み出すが出来た時の喜びをお互いが感じることが出来たんだと思いました。そして、それが共通の思い出となって大人になった時に思い出すことが出来るんです。主人公の秘密は、思春期の高校生だったら、なんとなく友達には言いにくい事であるけど、それを変えることが出来るのは今しかないと思って歩行祭に賭けたんだと思いました。2人が最後にしっかりと青春を味わうことができて良かったと思えました。青春時代とは側から見るとあまり変哲のないものかもしれないけど、当人にはすごくキラキラした大切なもの。昔の青春時代を思い出させてくれた素晴らしい映画でした。

30代女性
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高校3年生が夜を徹して歩く、というひとつの行事を描いた作品です。実際に同じような行事がある高校は少ないと思います。でも、歩くということは、会話をする余裕があります。また、歩きながらだと、面と向かっては言えないことも話しやすくなったりします。考えもまとまりやすかったりもします。そういう意味では、18歳の行事としてとても相応しいもののように思いました。夜一緒に過ごす、というのも、この歩行祭を特別なものにしていると思います。多部未華子は、この歩行祭で、石田卓也に声をかけることを、心に決めます。でもそのことは、一緒に歩く親友、西原亜希にも伝えることができません。周囲から見れば、多部は石田のことが、石田は多部のことが気になっているように見えるみたいです。気になるのは事実です。でも、周りが思うような気持ちではありません。2人は異母兄弟です。本人たちは知っていますが、そのことについて話すどころか、同じクラスでも会話を交わしたことすらありませんでした。歩行祭が進むにつれて、周囲の友情や、恋模様も描かれてゆきます。体力も残り少なくなり、少しずつ歩行祭の終わりが見えてきます。それでもなかなか勇気が出ない多部。西原に励まされながら、ラストへ向かいます。歩行祭に参加してみたいという気持ちになる映画です。

30代男性
30代男性

原作となった恩田陸の小説が大好きで何度も読み返しました、それが今回待望の映画化ということで見てみることにしました。小説の実写化は結構内容が薄くなりがちでがっかりすることが多かったのですが、この作品は期待を超える完成度でした。物語としてはとある高校の伝統業である歩行祭と言われる行事をきっかけに高校生の2人が惹かれ合っていく様子を描いたものなんですが、高校生ならではの淡い恋模様やほろ苦い感じがなんとも言えません。文化祭などはどこの学校でも良くあると思うんですが、歩行祭はなかなか聞かないですよね、しかもこの学校では24時間で約80Kmを歩くらしく結構過酷にすらかんじます。でも1日中学校の人と過ごすなんて普段じゃあり得ない状況からいつもは話さない人と話したり、なかなか話せないような内容を話し合ったりなど普段では体験できない濃密な時間となっているが分かります。一人じゃ絶対こんな事できないと思いますが、クラスの皆とだからやり遂げられるし逆に楽しむことが出来る。こういった貴重な時間を一緒に過ごした仲間は大人になってからもずっと仲良くしてることが多いですよね。自分も高校の時にこういったイベントが合ったらよかったな~なんて少し思いますが、この歳では歩き切る自信がありません。

30代男性
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見る前に別の人に感想を聞いたときに「歩いているだけだった」と言われたので、正直かなり不安もあったのですが、たまたま誘われて見ました。これは見逃さなくてよかったなと・・・。ま、確かに“歩いているだけ”って言われちゃうと、「そんなことはない」とは言えないんですが、基本シチュエーションは同じな訳なので。ただ、歩いて話していく中で、それぞれの人格や心情が伝わってきて、時間を重ねていくほどに味わいが増していく不思議な映画です。ちょっと変則的な青春ロードムービーといった感じ。ロードムービーっていうと“旅”ってなっちゃいますし、とんがった人が出てくることが多いイメージがありますが、これは特殊なイベントの中ではあるけれど、青春の心情を旅するかのようにフォーカスがしっかりと当たっていて、優しくもあたたかい世界観に包まれています。これは旅に出ているわけではないけれど、青春の心を短い時間の中で旅するロードムービーと言ってもいいんじゃないかと思います。それに何と言ってもセリフがいい。「並んで歩いていく。それだけでどうしてこんなにも特別なんだろうね」というセリフが忘れられなくて、心が震わされるいい言葉がたくさん見つかります。青春時代の心の揺らぎをよくこの限定的なシチュエーションに集約できたなと感心しました。

20代女性
20代女性

この映画は、胸がキュンとときめいたりドキドキしたりするような、よくある恋愛物語ではないところがポイントだと思います。母親違いの兄弟が同じクラスにいる、という何とも複雑な状況で、お互いの存在がかなり気になっているのに、行動に移せない二人の姿がとてももどかしいです。良くも悪くも興味があってよく観察しているくせに、なかなか声をかけられなかったり、嫌っているかのようなそぶりを見せたりして、序盤の距離の縮まらなさにハラハラするほどでした。そんななか、高校生活を締めくくるイベントの歩行祭を前に、主人公が静かに一人で賭けをしている姿がとても印象的でした。現実でもこういうイベントでは、みんなテンションが上がって気になる相手に告白をしたり、何か行動を起こそうとすることが多いですが、全然別の感情ではありながらも勇気を出そうとしているところに胸を打たれました。クラスメイトに話しかける、たったこれだけのことなのにどれだけ自分を奮い立たせたのだろう、と思うと切なくなりました。後半の和解することができたシーンでは、ポツリポツリとぎこちない会話をしながら距離を縮めていく二人があまりにもリアルで、心の中で「頑張れ!」と応援していました。高校生という思春期に、複雑な環境の互いの存在をちゃんと認め合うことができたことで、人間的に一つ成長したのだろうな、とあたたかい気持ちになれました。

 

まとめ

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