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海を駆ける(映画)の内容

海を駆ける』は、2018年の日本・フランス・インドネシア合作のドラマ映画です。

監督は、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」審査員賞を受賞した2016年の映画「淵に立つ」の深田晃司監督が7年の歳月を経て完成させたオリジナル脚本作品です。

深田晃司監督は、2004年に起きたスマトラ沖地震による津波の被害を受けた場所でもあるインドネシアのバンダ・アチェに2011年12月に訪れた時、津波による被害は日本だけではないことや、津波の被害に遭った日本人とインドネシア人とでは大きな違いあるのではないかと感じたことが本作を考えるキッカケとなったそうです。

そして、本作の妄想を重ねながら2014年公開の映画「ほとりの朔子」を制作した後、日本人が外国に行く映画を制作する話が上がり、深田監督は、すかさずインドネシアのバンダ・アチェを候補に挙げました。

主演は、ディーン・フジオカさんで、ほかには「ほとりの朔子」にも出演していた鶴田真由さんと太賀(現・仲野太賀)さん、インドネシアへ行く女子大生役に阿部純子さん、また、アディパティ・ドルケンセカール・サリといった現地の俳優陣も出演しています。

 

太平洋戦争やスマトラ沖地震、3.11の東日本大震災など過去の記憶の断片がドキュメンタリーのようにインタビューで語られる。インドネシアの老人たちの日本に対する心情も僅かに吸い上げる。ディーン・フジオカの存在は対照的で海の神の如く彼の存在がファンタジー要素をもたらしている。日本から移住しNPO法人で災害復興の仕事をする母とインドネシアで生まれインドネシア国籍の息子、そして日本人と何の違和感もなく接するインドネシアの若者たちなど、すべてが「対照」を形作りながら終焉を迎える。

ディーンフジオカ演じる、海から現れた不思議な男・ラウ(インドネシア語で「海」を意味する)のたたずまいに引き込まれる。スマトラ地震の被災地であるパンダ・アチェを舞台に、物語はラウが行う不思議な行為を見せつつ緩やかに進む。ラウを取り巻く鶴田真由、太賀、阿部純子が良い。特に太賀の役作り(現地語を滑らかに喋る風貌と相まって)に驚く。ラストシーンも含めて、心に残る作品。

謎の男、ディーン・フジオカが謎。謎の男が起こす行動は、次に活かされる事の無い投げっぱなし状態の為「何?」と思ってしまった。また逆に「海の化身にて生き物に対し活かすも殺すも出来る」と考えれば、これまた少し興味が湧くファンタジー映画にもなっていた。かなり苦労したであろう鶴田真由のインドネシア語は上手だった。日本人らしい掴み所が難しいファンタジー脚本は目新しさがあった。同じ海を頼り所とし行きていかなければならない日本とインドネシア。惹かれる部分はある。

観終わった後しばらくラウは何者だったのか考えてしまった。ほとんどセリフが無いけどディーンフジオカの不思議な存在感が半端ない。あと太賀さんのインドネシア語はお見事!!現地の人にしか見えなかった。

あらすじ

戦争と津波の爪痕が残るインドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェに移住し、NPO法人で災害復興の仕事をしながら暮らす貴子(鶴田真由)は、海岸で行き倒れていた正体不明の男(ディーン・フジオカ)が発見され、現場に向かうため、空港に日本から到着した姪のサチコ(阿部純子)の迎えを息子のタカシ(太賀)に頼みます。

タカシは大学の友人のクリス(アディパティ・ドルケン)と車でサチコを迎えに空港まで行きます。そこへ、貴子の友人のジャーナリストのレニが来て、海岸で行き倒れていた男に興味があるから一緒に行こうと誘われ、タカシたちも海へ向かいます。

浜辺近くの施設に座った男は、貴子が日本語で話しかけた時だけ反応があったことから、貴子が面倒を見ることに。貴子は、インドネシア語で海の意味の”ラウ”とその男に名付け、家へ連れて帰ります。車の荷台に乗って帰る途中、ラウが透き通った声で歌い出すと荷台に積んでいた魚がピチピチと動いたり、車を運転していた男の津波で亡くした妻子が手を振っている姿が見えたり、貴子の家へ着き、サチコがシャワーに入ると、出ないはずのお湯が出たり…。

別の日、浜辺で熱中症になっている少女が発見され、ラウは手の平を上に向けて、空中に水の玉を作り出し少女に飲ませます。彼は片言の日本語やバハサインドネシア語を話し、貴子やタカシ、サチコ、クリス、クリスの幼馴染みでジャーナリストのイルマ(セカール・サリ)を巻き込んで不思議な奇跡と事件を巻き起こしていきます。ラウとはいったい何者なのか。

見どころ

謎の男

謎の男・ラウを演じたのはディーンフジオカさん。当初、ラウには、”不思議な少年”というイメージで、20代前後の人と思い探した深田監督でしたが、なかなかピタリとくる人が見つからず、少し浮世離れしたような感じが出せる人を探してみると、周りからディーンフジオカさんの名前が挙がりました。

ディーンフジオカさんは、この頃ちょうど、NHK連続テレビ小説「朝が来た」でブレイクしていて、しかも日本生まれで、香港や台湾、ジャカルタでも活躍しているという多国籍のプロフィールがラウのミステリアスさにピッタリだとオファーしたそうです。

ディーンフジオカさんが香港や台湾、ジャカルタ、そして日本で活動してきたからこそ、ラウという役が出来上がったというほど、役にぴったりハマっています。

インドネシア語(バハサ・インドネシア)

今作では、現地NPO法人で働く貴子役の鶴田真由さんと、その息子・タカシ役の太賀さんがインドネシア語を話すため、撮影に合わせてインドネシア語をブラッシュアップしながらマスターしました。

実は、ディーンさんはインドネシア語が堪能なので、ディーンさんが話せば良かったのですが、役柄上あまり話さず、全くインドネシア語が分らない鶴田さんと太賀さんが話すことになりました。

太賀さんのインドネシア語は、映像で見る限り現地の人かと思うほど完成度が高いものになっていますが、そこまでには大変苦労し、言葉だけでなく、インドネシアの振る舞いまでディーンさんに習って役に挑んだそうです。

鶴田真由さんは、初めて台本を見た時、セリフに”インドネシア語”と多く書かれていてビックリしたそうです。鶴田さんの場合は、ネイティブな太賀さんと違い、日本語訛りのインドネシア語でしたが、こちらも相当苦労し覚えました。そんな2人のインドネシア語も見どころのひとつです。

スタッフ

監督・脚本・編集:深田 晃司
音楽:小野川 浩幸

キャスト

ラウ: ディーン・フジオカ
海岸で行き倒れていた正体不明の謎の男。

タカシ:太賀
貴子の息子で日系インドネシア人。インドネシアで生まれ育った大学生。

サチコ:阿部 純子
亡くなった父の散骨のためにインドネシアを訪れる大学生。貴子の姪。

クリス:アディパティ・ドルケン
タカシの大学の友だち。

イルマ:セカール・サリ
ジャーナリスト志望の少女。クリスの幼馴染み。

レニ:イネ・フェブリアンティ
ジャカルタでジャーナリストをしている貴子の友達。

貴子:鶴田 真由
NPO法人で災害復興の仕事をしながらインドネシアに暮らす女性。

 

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海を駆ける(映画)の感想

30代男性
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舞台はインドネシア・スマトラ島のバンダ・アチェ。2004年のスマトラ島沖~アンダマン諸島地震による津波で壊滅的な被害を受けた場所です。そこに現れたのは、ディーン・フジオカさん演じる不思議な男ラウ。生物の生死を操る能力を持つようですが、そのラウが引き起こす出来事や奇跡と、振り回される周囲の人々を描いた映画と言ったところでしょうか。一種の現代ファンタジーなのでしょうが、緩やかな空気感と共に進むストーリーは、見る人によって合う合わないがあると思います。この映画の一番の魅力が何かと言えば、ディーン・フジオカさんという役者の演技でしょうね。鶴田真由さんや仲野太賀さんといった脇を固める役者さんたちも、彼の魅力の引き出し役に徹しているように思えました。また気になったのは、この映画がフランス及びインドネシアとの合作映画であることです。ラウが引き起こす奇跡について、神道に馴染み深い日本人と、キリスト教徒であるフランス人、そしてイスラム教徒であるインドネシア人とでは、それぞれ受け止め方が変わってくるのではないかと思いました。そういった意味で、外国の方々の感想を聞いてみたい作品ですね。最後に、映画のタイトル通り、ラウが本当に海を駆けてしまったのには笑ってしまいました。

 

40代女性
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おディーン様がかっこいい、傷を癒したり海を駆け抜けていったりと不思議な力を持つ男を上手く演じています。こんな素敵な人が落ちていたら、絶対拾って帰りそうです。ただ、なぜそんな力を持つのかやそもそもどうして日本語に反応したのか・何人なのかとか何もかもが分からないままというストーリー、科学の力で何でも解決するわけでは無いのでしょう。こういうものだと納得するしかありません。それとも、インドネシアにはこういった伝説の男というのが日本の妖怪のように昔から語り継がれていたのでしょうか。もう少しインドネシアのことを勉強してみたいという気持ちは起こりました。ヒロインには鶴田真由さん、インドネシア語なんて全く習ったことがないはずですから苦労したことでしょう。でも見事ものにして、NPO法人で現地で働く人を演じました。海の真ん中まで走っていって、でも魔法の力が消えて海の中に落とされて大丈夫だったのでしょうか。全く関係ないのに日本語が分かる気がするというだけで押し付けられて最後はそれ、可哀そうな役どころでした。ディーンさんは海そのものだったのでしょうか、時には寄り添いと思ったら一瞬で牙をむき、海の怖さや美しさを現した作品な気はします。

 

50代女性
50代女性

ディーン・フジオカさんが、海で裸で発見されるのですが、片言の日本語とインドネシア語を話す不思議な雰囲気のラウの佇まいに、引き込まれてしまいました。ほとんどセリフがないのですが、何とも言えない存在感があったと思いました。まるで、無垢な妖精というような感じがしました。太賀さんが、現地の言葉を流暢に話していて、ほんとに現地の人にしか見えない素晴らしい演技をしていて、とても良かったと思いました。阿部純子さんが、とてもきれいだと思いました。鶴田真由さんの流暢なインドネシア語がすごかったと思いました。ストーリーは淡々と進むのですが、雰囲気がヒーリング効果のような感じがして、いやされると思いました。ラウは一体何者なのか、最後まではっきりした答えは出なかったと思いました。アディパティ・ドルケンさんやセカール・サリさんなどのインドネシア俳優陣が、とても魅力的だと思いました。海のきれいさがとても印象的でした。音楽も風景も作品にあっていて素敵だと思いました。見終わった後、何とも言えない独特の気持ちに包まれて、すごく考えさせられる映画だと思いました。観る人によって、受けとめかたがかなり違う印象になるのではないかと思いました。

20代男性
20代男性

映画館のポスターでディーンフジオカの目立つ宣伝がなされていたので印象に残り、後日見に行きました。ラウという名前の役で、さまざまな謎を抱えており不思議で魅力の溢れきっている役柄を演じています。自然をテーマの一つとして掲げており、その美しすぎる風景は観る側の気持ちに残ります。事実私もとても綺麗で画質や演出に感動してしまいました。さらにラウ(ディーンフジオカ)の謎が作中でどんどん明かされていくのも良かったです。割とありがちな設定ではありますが、王道感があり先の読めない展開に手に汗握ります。伏線が作品のいたるところにちりばめられていて、それを回収しながら見るのがとても面白かったです。少し作品のテイストとしてはファンタジックでスピリチュアルな部分があり、それも作品のキャラクターになっており、個人的にはいい印象でした。あと個人的には見ていて辛い描写や、クセの強い感じがないのがいいなと思いました。老若男女幅広い人に受け入れられるような内容になっているので安心して見れます。ディーンフジオカが大好きな女性の皆さんはマストでみた方がいいです。そうではない方も、この作品からディーンフジオカにハマるのもいいかもしれませんね。

30代女性
30代女性

映画の中で日系のインドネシア人の青年タカシを演じていた太賀さんが印象的でした。仕草や雰囲気が本当にインドネシアの現地の人のようで初めは太賀さんだと気づかないくらい役になりきっていました。インドネシア語もこの映画のために練習したようですが、発音の難しそうなインドネシア語を話す姿がとても自然で役者としての魅力を感じました。不思議な力を持つ謎の人物ラウを演じたディーン・フジオカさんも彼のミステリアスな雰囲気と役柄が合っていました。ほとんど喋らないのに表情が魅力的で惹きつけられました。ストーリーはインドネシアのゆったりとした自然の中でのんびりと進んでいきます。しかし退屈することなく登場人物たちの日常をのんびりと観ていることができました。若者4人が船の上ですれ違いからちょっとした口論になるシーンが微笑ましくて良い雰囲気でした。湿度の高い温かい感じがして好きな映画でした。不思議なラストでしたが、海の上を走るシーンが気持ちよく、ラウの存在も含めてファンタジーアニメを見たようなほっこりした気持ちになりました。インドネシアの自然の風景や音楽、登場人物たちの温かいキャラクターやストーリーとどこか癒し効果のある不思議な映画でした。

 

まとめ

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