100分de名著の見逃し無料動画配信と再放送情報6/22カント｜Youtube/Dailymotion/Pandora/Miomio/9tsuよりオススメ

第一回から見ています。聞いたことはあるけれど、内容を知らなかったので見てみたら意外と面白かったので最終回まで見ました。当たり前すぎて不思議に思っていなかったことに疑問を持つのがスゴイし、発想にときどきついていけなくなりましたが、伊集院さんがいいタイミングで「こういうことですか？」とわかりやすい例えを出してくれて、先生がかみくだいて教えてくれたのでなんとかついていけました。矛盾や悩みも人間特有の理性の特徴で、それは人間らしいことなんだなと思いました。カントのいう「道徳的法則」が個人に都合の良いものでなく、万人に共通のものであるか？と言っていたと思うのですが、法律のイメージが湧きました。ニーチェがカントのことを「どうかしてる」（やりすぎてる？）って言ってたのには笑ってしまいました。哲学者の人も人間らしいなと感じました。第4回を見ていて、ある問いが浮かびました。それは、理性的であるはずの人間が、相手を甘やかしすぎて自立を阻害しているのを見ると、動物の厳しい生きてく世界にも理性的なものを感じるので、そこのところはどう考えてらっしゃったのかな？ということです。カントが生きていたら質問してみたかったです。

カント「純粋理性批判」第４夜です。カントが純粋理性批判を著述するに至った経緯と、その著書の内容を説明した第３夜までの内容を踏まえて、自由とは何か、道徳的に生きるとはどういうことか、を解説します。解説は、３夜までに引き続き、東京医科大教授の西研先生です。今回取り扱う自由についてですが、カントの提示する自由は、一般的に我々が考えるものとは一線を画しています。番組内での例として出てくるのですが、バスや電車に乗っていて、目の前にお年寄りがいたら、あなたは席を譲るでしょうか？　譲ると考えた方、それはカントによると自由ではないそうです。また、ダイエット中に誘惑に負けてつい間食をしてしまう……これも一見自由に見えますが、カントの考えによると、これは自由ではありません。第１夜でカントが提唱したように、我々が当たり前と思っていることに疑問を持ち、それについて徹底的に考えたのがカントという人物です。彼にかかれば人間というものが丸裸にされ、正しいと思ってやっていることが実は支配されているものだということに気づかされたりもします。この１００分で名著は毎回わかりやすくてとてもためになりますが、今回も「純粋理性批判」という難解な本をかみ砕いて解説してくれます。何気なく考えていることをもう一度考え直す、この番組を機にカントの考えに触れてみてはいかがでしょうか。

難しい哲学書についての解説なのに、最後にはちょっと心温まる気持ちになって、少し不思議な気分です。哲学というと、人の感情や行動を四角四面に考えているイメージが勝手にあったのですが、自由について説いていたりして、前向きさを感じる瞬間がありました。こういったこともあって、少しは親近感を持って解説を聞くことができたかなと感じます。また、ダイエットや電車で席を譲る場面など、分かりやすい事例で説明をしてくれたので、素人でも分かりやすく学べました。一般的に考えられている自由とこの本に書いてある自由は違うところがありましたが、そういった考えもあるのか、と新鮮な気持ちになりました。実際に本を読んだわけではありませんが、一人で読むにはハードルが高い本の内容や解釈の仕方を知ると、勉強になるし、4週続けて見ると少し達成感があっていいなと感じました。日常生活で何かを選択する時に参考にできそうな内容だし、自分一人の今までの考え方よりも少し視野が広がったような気持ちです。日頃忙しくてゆっくりと本を読むことができないけど何か学びたいという人や、私のように難しそうな本に対して苦手意識がある人におすすめしたい番組だなと思いました。

私がこれまで自由だと思っていたことは本質的な自由ではなかったのだ、と過去の哲学者からズバリ指摘されてしまいました。今回もまた少し頭が混乱してしまいそうなテーマでしたが、西先生の解説と伊集院さんの咀嚼があり、分かりやすかったです。偶然にも先生同士が同じ苗字ですが、作家の西加奈子さんが「美醜を自分で決めよう」とお話しされていたことを思い出しました。カントも同様に、宗教者がそう言っていたから、だとか、過去からの習慣で良しとされていること、だとかを無条件に受け入れた上で判断された行為に道徳的価値はないと言っていました。かわいそうに思うだけで実行するボランティアに道徳的価値はないと言うカントを厳しく思いますが、例えばその場しのぎの施しにしかならない行為を、カントがどうとらえて評価したのかが気になります。それでも相手は助かりますし、それをどう生かすのかは相手の行為次第で、そこにも同様に道徳的価値の有無があることになりますよね。カントが、生涯結婚することも他の土地の様子を見ることもなく、深く考え続けた人だということは驚きでした。やはり100分のみでは短い！もっと知りたくなりもっと分かりたくなりました。もしかしてこれも、究極を求めがちな人間の理性の暴走の始まりになるのでしょうか。

純粋理性批判の最終回。第３回まではやや難しい理屈もあるけど、なるほどと納得のできる内容でしたが、第４回の最終回は哲学は人のためにあるものだとすんなりと心に届くものでした。本当の自由とは何か？現時代は自由を履き違えてしまい、苦しんでいる人が多いのではないかなと思っています。だからこそ、このカントのいう自由の考え方を身に付けさえしたら、スマートな生き方をすることができて、苦しみから解放される人がたくさんいるように感じました。私利私欲から解放されることの幸せを説いてくれていた気がします。また伊集院さんがおっしゃっていた小さい頃からよく言われていた「人に迷惑をかけてはいけない」という文言も、この放送を見て改めて考え直しました。いかに深い意味合いを持つかということを感じ、いかに深い意味合いであるかを、それこそ小さい時からしっかりと教えていかなければならないと思いました。人から言われたからの正しさの判断でなく、自分でしっかりと考えた上での正しさの判断、さらにそれが周りの人ともほぼ合致することなのかどうかまで考える必要性、それこそが「人に迷惑をかけてはいけない」の本当の意味合いだったのだと思いました。また純粋理性批判の最後に締め括られた、星空の世界の美しさは人の心の中の世界にも存在していることを伝える文章は、８０年という生涯をかけて哲学に邁進し、人々を幸せに貢献したいというカントの実践理性によるものだと感じ、詩的さと理屈を合わせて持ったとても感慨深い内容でした。

第一話から見ていますが、とても難題なテーマをとても噛み砕いてやさしく教えてくれています。イヌマエル・カントの近代哲学。「人は何を知り得て何を知り得ないか」哲学に全く興味のない人にでも分かりやすい例えと司会の伊集院さんによるおとぼけというか、トークにより親近感を感じられる時間となっています。司会の方お2人の馴染みやすい人柄も魅力です。アニメやナレーション、映像で概ねの中身を説明してくれますがそれだけだと「？？」となるところ、私たちの目線になって解説者の方に質問をしてくれるのでとても嬉しくなります。哲学を勉強している方でも難しいと言われる純粋理性批判。百分で名著で出してくれなかったら手に取ることもなかったであろう本ですが、その手掛かりを差し出してくれる番組と言ってもいいと思います。自由、生き方、宇宙、魂とはなど一度は考えたことがあるテーマですが、カントによると（カントによらず哲学者全般）そのテーマを何故考えるのであろうか、そもそもそもその概念は皆んなと共有のものなのだろうか？何故同じものだと分かるのだろうか？などそのテーマの奥の奥の奥まで追求していくため平凡な私の頭はこんがらがってしまいますが、それを考える時間はとても楽しいものだと思えます。私はいつも録画して夜中紅茶を飲みながら見るのがとても楽しみです。