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ジャングルブック(実写映画)の内容
映画『ジャングル・ブック』は、2016年8月に公開されました。この映画は、1967年に公開されたウォルト・ディズニーの遺作となったアニメの実写版で、実写の少年とCGIアニメーションを融合させて作り上げられたリアリティ溢れる映像の作品です。
監督は、ジョン・ファヴロー。俳優として活動しながら、2008年に監督した「アイアンマン」が大ヒットしシリーズ化。その他、アベンジャーズや最近ではライオンキングも手掛けています。
そんなジョン・ファヴローは、当初、ディズニーから『ジャングル・ブック』の実写化の話が来た時、どうせセットを組んでジャングルにでも取りに行くんだろうと、興味を引かれなかったとか。しかし、コンピューター技術を使うことを知り、監督にとってこの上ない機会だと思ったそうです。
唯一、主人公のモーグリだけ実写となったため、モーグリ役のニール・セティは、パペットを使って演技したそうです。そんなモーグリはオーディションで選ばれ、その数なんと2000人。ニール・セティは、インド系アメリカ人で、当時、習っていたインドダンスの先生から話を聞きオーディションに参加しました。ニール・セティは、2003年生まれで、オーディション時は10歳、映画公開時は12歳でした。
アニメ「ジャングル・ブック」はコメディ8割シリアス2割ぐらいの陽気で楽しいジャングルの動物たちの物語。しかし本作はコメディ2割シリアス8割くらいの真逆の描き方だった。実写化にあたってのこのさじ加減が絶妙。
終盤のモーグリとシア・カーンの対決はちょっと興奮。
よくこんな映画つくろうと思ったな・・・と思いました。挑戦しようとしたクリエイターたちの精神が本当に素晴らしい映画だと思います。
ディズニー映画ってことは、どーせ子供向けじゃん!て思いきや感動!動物にも感情があって友情や家族愛を育んでいきます。ミュージカル調でテンポよく進むから飽きないし、なんといってもモーグリ役の男の子が可愛すぎた。
ディズニー映画ということで子供向けのような気がしていたけれど素晴らしかったという声が多くありました。この映画はアメリカで、公開3日間で興行収入が100億円越え。「アバター以来の心奪われる世界を描いた映画の一つ」と絶賛を受けました。
CGの動物たちの声を有名なハリウッドスターたちが担当したこともあり、吹き替え版では松本幸四郎さんや、西田敏行さん、宮沢りえさんなどが担当し、日本でも興行収入が22億円越えとなる大ヒットとなっています。
あらすじ
ジャングルに取り残された赤ん坊のモーグリは、黒ヒョウのバギーラに助けられ、母オオカミのラクシャに育てられジャングルの子となりました。少年モーグリは、バギーラから自然の厳しさや生き抜くための知恵を教わり、ラクシャからは惜しみない愛を注がれ幸せに暮らしていました。
雨季が終わり、長い乾季が訪れた頃、川の水が乾上がって平和の岩が現れ、多様な生物が集い平和な光景となります。しかし、人間の仔であるモーグリの臭いを嗅ぎつけたハゲワシと、恐ろしいトラのシア・カーンが現れます。オオカミたちはモーグリを守ろうとしましたが、シア・カーンは他の動物たちに危害を加えかねない可能性を示唆します。
ジャングルに雨が戻ってきた頃、モーグリはここを出ていくことを宣言します。ラクシャは猛反対しますが、モーグリの命を救うためバギーラと共に人間の村へ向かいます。森を抜け草原に出た時、そのタイミングを狙ってシア・カーンが現れます。スイギュウに行く手を遮られたシア・カーンでしたが、シオニーの丘にたどり着きオオカミの群れを束ねる気高きリーダーのアキーラを殺し、モーグリを連れてこないと、ここは自分の丘だと宣言します。その頃、モーグリは、崩れ落ちた崖道と共に川の中に落ちてしまっていました。
モーグリは暗い森の中をさまよい、やがて巨大なヘビ・カーと出会います。カーはモーグリに催眠をかけ仕留めようとします。しかしモーグリが襲われる瞬間、何者かがカーに襲いかかり、モーグリは気を失います。
目を覚ますとクマのバルーが自分の臭いを嗅いでいました。バルーがカーからモーグリを助けてくれたのでした。そしてバルーに人間の村へ案内してもらいます。
一方、シオニーの丘では、ラクシャの仔たちがシア・カーンの周りに集まり話を聞いています。その内容を聞いたラクシャは、シア・カーンがモーグリの死を望んでいることを知ります。
クマのバルーは、人間の村は目の前にあるのだから好きな時に行けばいいと、モーグリにハチミツ集めに協力するように言い、モーグリは仲間たちとハチの巣落としをするために準備します。そんな中、ジャングルの茂みに何者かがいるのに気付いたモーグリ。声をかけると、なんとバギーラが姿を現します。
モーグリはバルーとの楽しい生活の話や集めたハチミツを嬉しそうにバギーラに見せますが、バギーラは険しい表情を浮かべます。バルーは冬眠のためにハチミツを集めて欲しいと言っていましたが、クマはジャングルで冬眠しないとバギーラがバラします。
今度はサルの仲間がモーグリの前に現れ、モーグリを持ち上げて高い木の上へ連れて行きます。そして崖の上に投げ込まれたモーグリの目の前に廃墟となった巨大な寺院が現れます。その中には、巨大なバンダー・ログの王キング・ルーイがいました。キング・ルーイは赤い花(破滅をもたらすもの)を自分に差し出すようモーグリに強要しますが、モーグリは嫌がります。
キング・ルーイは、巨体を跳ねあがらせ、モーグリが行く道を塞ぎます。そんなモーグリが「アキーラの所へ帰る」と言うと、「アキーラはシア・カーンに殺されたぞ」とキング・ルーイが教えます。
アキーラが死んだことにモーグリはショックを受け、怒りに満ちた顔となり、シア・カーンとの最終決戦へと向かいます。
見どころ
何と言っても、動物のCGの凄さが見どころです。迫力があって、スリル満点。
モーグリが触れ合う動物たちだけがCGと言うわけではなく、モーグリが走り抜けるジャングルの草木まで、ほぼ全てがCGで表現されています。美しい草木や、ジャングルの流れる川など、実写としか思えない映像で、ロケ地はどこ?と聞きたくなるほど。
アメリカ・ロサンゼルスのスタジオで全て撮影されています。
スタッフ
原作:ラドヤード・キップリング「ジャングル・ブック」
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:ジャスティン・マークス
音楽:ジョン・デブニー
キャスト
モーグリ:ニール・セティ(日本語吹替:北原 十希明)
本作の主人公であり、オオカミに育てられた人間の仔。
バギーラ 声:ベン・キングズレー(日本語吹替:松本 幸四郎)
モーグリを助け、オオカミたちにその命を託した黒ヒョウ。
バルー 声:ビル・マーレイ(日本語吹替:西田 敏行)
食いしん坊でちゃっかり者のクマ。
シア・カーン 声:イドリス・エルバ(日本語吹替:伊勢谷 友介)
ジャングルで一番恐れられているトラ。
ラクシャ 声:ルピタ・ニョンゴ(日本語吹替:宮沢 りえ)
モーグリの育ての母であるメスのオオカミ。
カー 声:スカーレット・ヨハンソン(日本語吹替:朴 璐美)
大柄で狡猾なメスのニシキヘビ。
アキーラ 声:ジャンカルロ・エスポジート(日本語吹替:大川 透)
モーグリをシオニーの地の群れの中に受け入れた、勇ましくも気品あふれるオオカミのリーダー。
キング・ルーイ:クリストファー・ウォーケン(日本語吹替:石原 慎一)
廃墟となった巨大な寺院の奥に住むバンダー・ログの王。
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ジャングルブック(実写映画)の感想
ジャングルブックはディズニーアニメの印象が強くて実写化を鑑賞するにあたり他の失敗例にならって心配でしたが、私の感想ではなかなか健闘した方ではないかと思いました。ストーリーのテンポもちょうどよく感じましたし大自然及び動物達の映像美もダイナミックで素晴らしかったので退屈しないと思います。主人公の子役も可愛かったですし、それだけではなく演技力も充分だと思います。ただでさえ自然界に暮らす動物達の縦社会は厳しいのに人間である主人公は群れになかなか受け入れてもらえません。幼いながらも自分を認めてもらおうと戦う健気な主人公に心を打たれました。しかし戦うといってもそれは理不尽なものではなく弱肉強食の世界で生きるには必要なものなのでしょう。自分の力を周りに示し群れにとって有益な存在でないと生き残ることはできないのでしょう。原作もしっかり読んでないので、その後はどうなるのかわかりませんが将来は群れを率いるリーダーになるのでしょうか。何にせよ100年以上も前に出版された物語を映画化するにあたってディズニー側のリスペクトを感じました。同じ時期にロードショーされたターザンという野生児ものの実写映画もありますがこちらは主人公がオッサンです。何故アメリカ映画は似たような内容の作品を同時期に作るのか謎ですね。本作はあくまでも子ども向けですが社会の厳しさを教えるには良いと思います。主人公の子役の今後のキャリアにも要注目です。
ウォルトディズニーのジャングル・ブックの実写化で、なんと主人公モーグリの子役の子以外CGという映画です。父親とジャングルに来ていたときにトラに父親を殺され、取り残された赤ん坊が黒豹のバギーラが助けられ、狼のラクシャによって愛惜しみなく育てられたモーグリの話です。オオカミによりオオカミ兄弟と共に育てられたモーグリ。リアルにオオカミに育てられた子がいたとしたらこんなんなのかなと感じさせられるほどです。モーグリを狙う人間に復讐心を強く抱くトラのシアカーンが帰ってきたことにより、再びモーグリの旅が始まります。モーグリ役の子の周りがCGとは思えない演技力にかなり驚きました。本当に動物たちと対話しているようだし、追いかけられ切羽詰まる感とか恐怖感とかがすごい伝わってきます。モーグリが旅する先に見えた人間の村、人間は火を使う。初めて火を見たモーグリの感動と不思議と恐怖な感じが心に響くシーンでした。人間のモーグリは狼の群れにはいないものの森のどこかにはいると考えるシアカーン、シアカーンから果たしてモーグリは逃げることができるのか、また、モーグリは今後もオオカミとして人間としてどちらで生きる道を選ぶのかハラハラドキドキするストーリーで、子供とも一緒に楽しめる映画になっています。
2016年に公開されたアメリカの映画です。ディズニーアニメとして有名な「ジャングルブック」を実写化したものです。簡単なあらすじは、ジャングルに人間の赤ん坊のモーグリは一人取り残されます。モーグリは黒豹のバギーラに助けられて、メス狼のラクシャのもとで幸せに暮らしていました。しかし、人間を憎んでいるトラのシア・カーンがジャングルに戻ってきて、モーグリはジャングルを去ることになってしまうというストーリーです。この映画は、コンピューターグラフィックスにて動物たちが描かれていて、子どもと猛獣が一緒に生活しているというあり得ない光景を実写化したところ素晴らしいところだと思います。動物の動きや仕草などもしっかりと再現されていて完成度が高い映画に感じました。特に、毛皮がモフモフした感じや、本来猛獣のはずのクマや狼が可愛らしく描かれていたところもよかったです。動物のリアル感と、可愛らしさがのバランスがとてもよかったと思います。ストーリーに関してもテンポがとてもよく、飽きることなく見ることができました。映像美が高い作品なので、感覚的にわかりやすい映画で、子どもも大人も楽しめる映画と言えるのではないでしょうか。
CGがすごかったです。動物たちが皆CGだなんて、驚きですし、表情も豊かでした。ジャングルの風景も壮大で、こりゃ、スクリーンで見るべき作品だったなと思いました。動物に育てられた少年ということは知っていましたが、ジャングル・ブックって今ひとつストーリーを覚えていなかったので、新鮮でした。やはり、子供を育てるのはおおかみなのねとか、熊との蜂蜜とりって、プーさんみたいと楽しいところもあったし、熊と虎の戦いとか、本物を使っては無理な描写も見れてよかったです。異種格闘技戦が楽しいように違う種類の動物のバトルって面白すぎます。いろんな動物が出てきて、それぞれ性格が違っていておもしろかったです。セクシー大蛇の声はスカーレット・ヨハンセンですごく似合ってました。最後のほうには山火事(ていうかジャングル火事ですけど)とかあって結構スリリングでした。人間と動物、共存できないとわかっていても、共に育ったモーグリを家族と認める動物たち、そして、モーグリもまたジャングルが家で、みんなが家族だと動物を守るため、戦っていて、みんなの間にある絆を感じれてよかったです。ターザンとかライオンキングがすきな人は、この作品も気にいるだろうなと思いました。
映画化や実写化というと、元の作品との違いに対して批判が起きたりしますが、この映画はちゃんと楽しむことが出来る内容になっています。シア・カーンは圧倒的強さと恐怖を見せることに成功しておりシア・カーンの強さが感じられました。シア・カーンが話すだけで周りが凍り付く空気感がうまく表現されており凄さを感じます。とくに終盤のモーグリとシア・カーンの対決は見ごたえがありました。CGなのに動物たちが話すシーンに全く違和感がないのが、技術力の高さを感じます。ただトラが人間を憎むことになったきっかけが映画の中では詳細に描かれておらずそのへんがもっと詳しく知りたかったです。人とジャングルの関わり方や、ジャングルの掟などがしっかりと描かれておりいろいろな意味で考えさせられる内容になっていました。動物の映像が、本当に美しく描かれており全編で見事な動物たちの美しさに感動出来ました。ジャングルで生き抜くには、相手に親切にすることと、誰かを助けたから助けられるという人間社会でも大切にすべきことが描かれていました。家族で見ると、生きる上で大切なことをこの映画は教えてくれている気がしました。歌もディズニーらしく良かったです。
オオカミにジャングルにて育てられたモーグリ少年を描くジャングルブック、アニメ版も面白いですが実写も映像がすごくておすすめです。よく似た役者を選んで演技させてという簡単なものではありません。何しろオオカミに人間の子供を育てているという演技をするだけでも難しいのに、更にはクロヒョウや大蛇・トラと危険動物がたっぷりです。有名になれると言っても、そんな危険なロケに可愛い我が子を差し出そうなんて考える親はどこにもいません。ちょっとでも機嫌を損ねて暴れだしたら、監督やスタッフたちも居の内を落としてしまいます。なのでこの映画では、動物たちはCGで登場させました。本物の動物の迫力というよりもCG技術のすごさこそが見どころとなっているのです。どうせニセモノだし、その気持ちは映像を見始めたらすぐに消えてしまいます。実は本物を使っているのではと何度も疑ったくらいとてもリアル、迫力満点で素晴らしいです。でも本当にすべてのシーンがLAにある撮影所で撮られているのです。そして何もない空間で甘えたり喜んだり恐怖したり、それを見事にこなしたモーグリ役の役者さんにこそ拍手です。アニメのように誇張されてはいないけれども、リアルな動物たちとの触れ合いにまた違った楽しみがあるのです。
動物だけが暮らす世界に人間が一人で過ごすというストーリーです。動物に育てられたり動物との絆を深めるというのは現実的ではないけれど、とても素晴らしい世界観でした。人間と野生動物の共存は難しい事だけれど、不可能である事を前提に見ても「こういう生き方を選べるのなら、それはそれで楽しいんだろうな」と思えました。姿形は異なる同士でも、仲間は仲間なんだと、感動しました。動物と仲良くなったり、考えている事や求めている事が分かれば楽しいんだろうな、って思いました。オオカミの子どもが可愛くて、キュンキュンしました。動物園でしか見る事の出来ない生き物ではありますが、それぞれに弱点や性格があるのは人間と一緒なんだなあ、と考えさせられましたね。特に動物達のバトルは見ごたえ抜群でした。迫力満点でスピード感溢れるシーンは、何度でも見たくなります。また出てくる動物は本物ではなくCGで作られているとの事ですが、とてもリアルでした。毛が風になびくところや表情の細かい動きなど、まるで本物の動物達がその場にいるようでした。とても壮大な作品なので、映画館の大きなスクリーンで見たかったですね。好きなシーンばかりで最後まで楽しめました。
主人公のモーグリ以外、風景から動物までフルCGというハイスペック実写映画です。CGという事を忘れてしまうほどの迫力満点のジャングルとそこに住む魅力的な動物達。ディズニーお決まりの時々ミュージカル風なのでコミカルで見ていて飽きません。ずっと楽しいです。シア・カーンに命を狙われ、人間の村を目指すモーグリ。行く先々で様々な動物が現れ、交流し、人間ならではの道具を使い成長していく。私が特に好きな場面は熊のバルーとのひと時です。最初はやる気のない熊のバルー。モーグリを利用するつもりしかなかったが、モーグリと工夫してハチミツを一緒にたくさん取った事で友情が芽生える所が好きです。川遊びしながら、モーグリとバルーで楽しそうに歌う場面が可愛らしい。モーグリの事が大好きなのに、ジャングルにいると危険だと知ったバルーがモーグリを突き放す場面は少し泣けてきます。臆病だったバルーがモーグリを助ける為に崖に登ったり、ついにはシア・カーンにまで挑むなど、モーグリだけでなくバルーの成長も感じられて感動します。モーグリを利用して赤い花を手に入れようとするキング・ルーイはとにかくでかい。実際そんな大きさの猿はいないだろうけど、迫力満点で良いです。キング・ルーイも歌い出すので、シリアスな場面もコミカルになり、ハラハラしながらも終始ワクワクします。狼の主アキーラの仇を撃つべく、人間の村の赤い花を持ち走る場面はモーグリの焦りと緊張が伝わってきます。そして、映像美が止まらない。シア・カーンを倒す場面が序盤のバキーラとの訓練の付箋を見事に回収し、応用したものなので、全てにおいて計算尽くされている素晴らしい作品でした。ディズニーの実写映画にハズレはありません。
主人公の男の子、モーグリ以外は全てCGとは思えないほどの出来上がりでした。
基本的なストーリーは、ディズニーアニメーション版と同じですが、細かいところに違いがあり、それがよりモーグリを巡るジャングルと人間との関係を掘り下げる形で描かれており、成功していたと思います。一番象徴されていたと感じたのは、モーグリを幼い頃から育ててきた狼たちとの家族愛です。人間を憎むトラのシア・カーンがジャングルに帰ってきたことから、モーグリを守るために人間の村へ帰そうという話になった時、ラクシャという雌の狼が、「どこにいても、お前は私の息子」と涙を流しながら別れを告げます。その後も、モーグリと兄弟のように育った狼の子供達に対して人間への憎しみや敵対心を植え付けようとするシア・カーンに対して毅然と接します。そんなラクシャの姿は、モーグリが命の危険にさらされながらもジャングルに残りたがる一番の理由が、自分を慈しみ、大切に育ててくれた家族と別れなければならないことだったんじゃないか、と観ている側に思わせるような力強さがありました。ディズニー・アニメーション版では、モーグリがただ人間の村に行きたくない、と駄々をこねているという印象がやや強かっただけに、ラクシャの存在がうまく働いたために、モーグリとジャングルの仲間たちの絆が上手に描かれていたと思います。
ディズニーの名作アニメーションを最新のCG技術を駆使して実写映画化した冒険活劇。オオカミと共に大自然の中で生きる少年・モーグリの試練を描く。凡庸な表現を使うなら『CGがスゴイ』その一言に尽きる映画。映画のCGを褒めるのは、古くはスピルバーグの「ジュラシック・パーク」(1993年)辺りからだったように思う。当時は『SFX』とも言ったかなあ(笑)とにかく最新の技術でリアルに表現された動物(この場合は恐竜)に胸を踊らせたものだ。少し前に見返した時、さすがにPS2のグラフィックのようにしか感じなくなったブラキオサウルスに時間の経過を痛感したりもした。閑話休題。今現在、映画のCGを褒めることは滅多になくなった。ゲームもそうだが、CGで作られたキャラクターがリアルであることはいつしか当たり前になったのだ。しかし、本作に関しては恥ずかしげもなく言おう。『CGがスゴイ』と。何せ主人公のモーグリ少年以外はほとんどをCGで表現しているのだ。動物は本物にしか見えないし、ジャングルの木々や葉の一枚までとても作り物とは思えない精巧さである。悪いことは言わないから今の時代、騙されたと思ってCG目当てで見て欲しい一本である。喋りまくる動物たちはユーモラスで、主演を射止めたシンデレラボーイ、ニール・セディくんもチャーミングだ。飽きさせない展開も含め、ファミリー映画としては申し分ないクオリティだと思う。しかし個人的にはドラマ部分では今ひとつ感動出来なかった。というか、正直ストーリーが印象に残っていない。だから余計に最新技術が際立つ。ひたすら『CGがスゴイ』映画なのだ。
原作のアニメを壊さないよう世界観に非常にこだわっていることがよく分かります。まず、あたりまえですがこの映画には人間がほとんど全くと言っていいほど登場しません。人間はモーグリだけなので、モーグリのキャスト選びにはおそらくとても苦労したのではないかと思います。しかし、アニメをそのまま実写にしたのではと思ってしまうほど見事にイメージそのままの男の子が見事にモーグリを演じています。そしてこの少年、運動神経が非常によく、アクションがものすごく決まっていて演技が神がかっています。ジャングル育ちのターザンに負けず劣らずというか、この子のスタントなんていないでしょうと声をあげたくなるほど体を張ったパフォーマンスで非常に感心しました。バルーと川に浮かびながら仲良くするシーンはまさにアニメそのものですし、もちろん名曲は素晴らしいオーケストレーションが付いているものの、まさに原曲そのままです。動物たちは本物の動物を使うのは難しいのではと予告編を見たときに思ったのですが、DVDのメーキングをみて本当に驚愕しました。なんと、この映画は本物の動物も本物のジャングルのロケ地も存在しないようです。つまり、あれだけの映像美をすべてCGで再現しているようなのです。それなのに作り物といった印象は全くなく、全てが自然で唯一実在する少年の俳優と見事に調和していました。物語はアニメと若干異なる部分はありましたが、シナリオも決して悪いわけではなく、むしろ始終興奮が治まらないワイルドな調子が続きます。アニメしか知らない方にはぜひ一度お勧めしたい映画の一つです。
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