ハラがコレなんで(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

面白かったです。見終わった後に細かいことは気にしず、いい風が吹くまで寝ていようという気になりました。

主人公のアホなまでに前向きなアプローチはいいなと思いました。また、仲里依紗さんの独特の雰囲気を楽む作品だと思います。

今の日本でも“粋”や“義理と人情”があるんだなと思わせてくれる映画でした。ドタバタ劇が好きな人にオススメの作品です。

何となく面白そうだし、仲里依紗さんが好きだから見てみようくらいの気持ちでしたが、物凄く面白かったです。仲里依紗さんの主人公も良かったですが、その周りの流され感や必死感も良かったです。

妊娠9ヶ月の主人公が自分の将来もどうなるかが分からないのに、困っている人を見ると放っとけない性格で、OK大丈夫と声を掛けて周りから見るとお節介と思われてしまうが見返りを求めずに考えたら即行動に移す姿は、見ていて凄いなと思いまし感じが良いなと思いました。もし、自分が同じような境遇に出会ったのであれば恐れく見て見ぬ振りをしてしまうところを、率先して実行出来るところは見習いたいなと思いました。そんな彼女の生き方は、時が来るまで昼寝をして風が吹いたらどっと動くという生き方でしたが今の生活を継続するだけで精一杯の僕からすると、必死になって働いているのが馬鹿馬鹿しく思えて来て、この生き方に関してはもっと現実的に物事を考えなきゃダメじゃないかなと感じました。ですので、この作品の設定は非現実的なのかなと思いました。また、仲里依紗が演じている主人公が所々言うセリフである『粋』と言うのがあるのですが、一般的な『粋』とは使い方が間違っている感じがしました。ただ、困った時はお互い様という精神は他人に対して無関心になりつつある現代の日本社会には、忘れてはならない文化というか精神ではないかなとこの作品を見て感じました。

気持ちよくて、知らない間に背負ってしまった「こうでなければいけない！」という気持ちがスッと取れるような「動物としての人間」に戻れたような穏やかな気持ちになれる映画でした。仲里依紗さん演じる主人公の光子は、妊婦なのにお金もなくて…旦那もいなくて…本来なら悲観したくなるような状況なのですが、本当に明るくて気ままで太陽のような人物です。主人公の「義理人情」という価値観で物事を全て気持ちいいぐらいに判断をし行動をしていく姿は、とても素敵で美しく映ります。本来、そういう人ってちょっと大人になってみると現実離れしていて、「そりゃ羨ましいけど、そうはなれないよね」と言いたくなってしまうのですが…その光子を取り巻く周りの人々がどちらかといえば一般的で、光子にはなれないけど、光子に憧れるような人々が描かれているので、その人に自分を置き換えてスッと話に入ることができます。そして劇中のセリフがこの映画をすごく引き締めて、意味を持たせるものになっていて、「人生勝ち負けじゃない。助け合って生きていければいい」という劇中の言葉は、明るい映画なのに包み込むような暖かさがあって、ああこんな言葉を誰かからかけて欲しかったのかもな。と思わず涙がこぼれました。仕事で疲れたり、どこか無理して肩肘張ってるなというときにもう一度みたいなと思います。

映画の序盤で仲里依紗さん演じる光子がアパートの隣の部屋に引っ越してきた人の家に突然上がり込みたくあんを勧めるシーンではなんだこの子と驚きましたが、その後光子が育った環境や光子の性格を知ると納得できました。粋なことが好きな光子は今の時代では少し不思議な存在ですが、昔はこんな風に人と人との距離がもっと近かったのかなと少しだけ羨ましくも感じました。タイトルからも十分想像できますが、妊婦さんが主役の映画だからと言って出産の感動や妊娠の苦労を見れる映画だと思ったら大間違いです。パワフルな妊婦の光子にみんなが巻き込まれていくシュールなコメディです。シュールなコメディなので演技もオーバーすぎずクスッと笑えるシーンが散りばめられていて、なんだかほっこり温かい気持ちになります。テンポの良い音楽もシュールでよかったです。ラストはスピード感もアップしてかなりめちゃくちゃですが、ストーリー全体がグッと盛り上がって面白く見応えがありました。爆発のシーンは急にコメディ感が増して、おばあちゃんの姿につい笑ってしまいました。光子の出産の感動シーンなどはないので期待せずに、肩の力を抜いて温かいものを飲みながらのんびり楽しみたい映画です。

まぶしい生き方をする女性の話でした。妊娠９ヶ月でお金もなく住む場所もなく、とても切羽詰まった状況にある光子。それなのに、彼女は困っている人を見ると放っておけない。自分がそんな状況だったら、絶対に他人に目を向けることはできない。自分と子どものその先を考えるだけでいっぱいいっぱいになると思います。自分が余裕のない状況で他人に優しくなんか私にはできない。多くの人がきっとそうだと思います。うがった見方をするならば、彼女はつらい現実のひとつの頭皮手段として、人助けやお節介をしているのかもしれない。そう思ってしまうのは、私がまだ純粋な優しさを持っていないからかもしれません。そしてまた、そんな究極的な優しさは人間には持ち得ないものなのかもしれません。彼女は、ひょっとしたら、どんなに恵まれていても自分が切羽詰まってしまえば、結局は自分のことしか考えられない人間を皮肉った存在なのかなとか思ったりしました。絶対的な優しさを見せつけられた時に、私の心の中にざらっと残る嫌な感じは、自分が究極的には自分のことしか考えていない人間であることへの罪悪感なのかもしれません。彼女のようになりたいとは思わないけれど、彼女のような存在を見ても、違和感なく受け入れることができる程度には優しさを理解した人間になりたいなとは思いました。いろんな意味で、自分の人生を振り返るきっかけを与えてくれる映画でした。

映画の冒頭で昼間から公園のベンチで寝っ転がっているヒロインの原光子からは、およそ恋人に逃げられた妊婦の焦りや悲壮感は伝わってきません。「どうにかなる」という何の根拠もない決めゼリフも、光子役を演じている仲里依紗が呟くと不思議なほどに説得力がありました。帰る場所もなく頼る人もいない光子がたどり着いたのは、平屋建ての家屋が密集していて江戸時代の町人たちがすんでいるようなノスタルジックな長屋です。詮索好きでちょっぴり口うるさいものの人情味のある大家さんの清や、光子の幼馴染み・児玉陽一が叔父の次郎と一緒に切り盛りしている定食屋まで。今の時代に失われつつある地域コミュニティの温かさや、人と人との繋がりの有り難みを噛み締めることができますよ。次々と店子が出でいき借り手が見つからずに空き家が増えている時代の流れや、年齢とともに孤独死の影に怯える清の複雑な胸の内もしっかりと映し出されています。身重の体で世の中の荒波に揉まれながらも、決して弱音を吐くこともない光子からは勇気を分けて貰えるでしょう。例え自分自身が不幸だとしても、彼女と関わった人たちは多かれ少なかれ幸せになっているところに注目して観てください。