愚行録(映画)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

BGMがほとんど無く、たんたんと続くインタビュー形式の物語。まるで小説を朗読するような演出。飾り気は無いが、役者の演技力が必要なやり方だ。役者もキャラ通りの配役でよかった。

見始めた時は、まさかこんなに衝撃的な結末が待っているとは思いもしませんでした。妻夫木聡さん演じる、主人公の田中武志は週刊誌の記者で、未解決である田向一家惨殺事件の真相を究明すべく調査していたのだが、その調査の目的が私たちの想像を遥かに越えた展開で物語が進むたびに衝撃を受けながら見進めるました。物語は全体的に重苦しい映像でストーリーは展開しますが、どんな真相が明らかになるのかを期待しながら、飽きることなく楽しめました。満島ひかりさん演じる、武志の妹、光子の情緒不安定ぶりもしっかり表現されており、やはり演技がお上手だなと感じました。独白されるシーンなどは圧巻で、吸い込まれるような演技でした。どんどん謎が明らかになるにつれ、この兄妹の関係性もわかっていき、相互に依存しているのかなと感じました。最後はいろんな伏線が見事に回収されていき、大どんでん返しもあり、後味は少し悪いですが謎が解決したという面ではすっきりしました。悪意すらも感じず他人を利用する人間の多さや、誰もが意識せずとも愚行であるということを考えさせられる素晴らしい作品でした。妻夫木聡さんと満島ひかりさんの共演がまたみたいなと思えました。

満島ひかりさんの演技力が光る作品です。暗く静かに進むストーリーの中で人間の嫌な部分をこれでもかと突きつけられます。正直もう一度観たくなるような映画ではありませんが、観たらその衝撃で二度と忘れられない作品になります。悪とはなんなのかを考えさせられてしまいます。育った環境は良い恵まれたはずの人も陰では人を見下して蔑めるような悪であり、育った環境が決して良いとは言えないこの映画では満島ひかりさん演じる満子が人に認められたいと必死についていこうとする姿に同情してしまいます。しかし悪の連鎖は着実に人の心を蝕んでいくということがこの映画では表現されていて、人間の脆さを実感します。登場人物が誰一人として幸せそうには見えない中で満島ひかりさんの幼さの残る笑顔が印象的で、観終わった後にはなんとも言えない虚しさが残ります。事件について語る友人役の役者さんたちそれぞれが登場人物の嫌な部分をとても上手く表現していて、観ている人の心もじわじわと蝕んでいきます。そのためラストの衝撃がより悲しく、より虚しく感じられます。こんな人たちにならないように、こんな人たちを生み出さないようにしようと心に刻むための映画でした。

2017年の日本のサスペンス映画で、「カルテット」等で有名な満島ひかりが主役を演じたことで話題になったのも記憶に新しいです。相変わらず綺麗な方だなと感じます。他の出演キャストもものすごく有名な方ばかりで、妻夫木聡、小出恵介、臼田あさ美等とても豪華な方たちで固められております。中村倫也等最近になって人気に火が付いたキャストもおり、中々ここまで実力派ばかりで固まっていると壮観だなと3年経った今でも思います。作品のストーリーはがっつりとサスペンス物で、起承転結がはっきりしておりまさに日本人受けするような、分かりやすく中身の濃い作品となっております。序盤で大きな謎が提示され、その後展開が進むにつれてその全貌が明らかになっていく様子はゾクゾクするくらいに、視聴者の恐怖感を煽ってきます。作品全体の雰囲気としては重くダークな感じなので、それもきちんとサスペンスとして成り立っているなと思いました。ストーリーの進行の中では、登場人物の背景などにも焦点が当てられて感情移入しやすい描写がはいっており、そういった細かい配慮や演出もしっかりとしていて感心しました。かなり丁寧に作られている作品なので今見ても全然楽しめると思います。

登場人物の全員が心に闇を抱えていたり、性根が腐っていたりしていて感情移入は出来ませんでした。人間の中にある嫌な部分を、これでもかというほどに見せられた二時間でしたね。ハッピーエンドでキラキラした映画ばかり見ていたので、たまにはこのようなブルーな気分になる映画を見るのも良いですね。非日常の世界ではありますが、自分や自分の周りがこのような事件に巻き込まれないという保証はありません。原作を読んでいないため結末が分からないまま見たので、ドキドキハラハラしながら見る事が出来ました。驚きの展開が多かったのも良かったです。俳優陣の演技力が素晴らしくてとてもリアルだったので、引き込まれながら見れて面白かったですが、とにかく悲しくて重くて…救いようのないストーリーでした。雰囲気も不気味で、映像も全体的に暗いです。妻夫木さんはどんな役を演じていてもかっこいいのに、この作品ではかっこよくなかったです。それも含めて、キャストそれぞれが演じきっていたのがすごかったです。原作のファンが多いようなので、時間がある時に読んでみたいなと思いましたね。落ち込んでいる時に見るのはオススメ出来ませんが、見る価値は大いにある映画です。

妻夫木聡さんが、田中武志の不穏な空気感を出して熱演していて、はまり役だと思いました。生きているのに、死んでいるみたいな表情がすごかったと思いました。満島ひかりさんが、さすがの演技力で田中光子の歪んだ人格をを熱演していて、素晴らしかったと思いました。存在感が際立っていたと思いました。満島さんの演技力に引き込まれてしまいました。有名大学に入ってイキイキしているのですが、普通の愛情を受けて育っていない光子は自分の立ち位置がわかりません。周りからうまく利用されて、いいようにあしらわれていることに気付かないのがかわいそうで仕方なかったです。犯人が光子だったことがわかった時は、妙に納得してしまいました。光子の子供の父親が、兄の武志だったことには、衝撃を受けました。常軌を逸した檻の中での姿は、圧巻だと胸ました。小出恵介さんが、クズ男を見事に演じていて、すごかったと思いました。重くて暗い展開がずっと続くのですが、構成が良くて伏線が上手く張られていて、最後にはきちんと回収されていたので最後まで飽きることなく観ることが出来ました。救いが無さすぎて、暗い気持ちになってしまうストーリーなのですが、緻密に計算されている名作だと思いました。