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ヒューマンドラマ

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アントキノイノチ(映画)の内容

さだまさしによる長編小説を原作とした映画『アントキノイノチ』は、2011年11月に公開されました。

複雑な過去を持ち心を閉ざした若者が、遺品整理業という仕事を通じて再生していく姿を描いた本作の監督は、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞などを受賞した瀬々敬久。岡田将生、榮倉奈々をダブル主演に、『余命1ヶ月の花嫁』のスタッフが製作し、全国公開後2日間の動員数は驚異の動員7万4,280人。映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位の記録を打ち出し、第35回モントリオール世界映画祭イノベーションアワード受賞。さらに、第36回香港国際映画祭正式出品と世界的にも注目を浴びる作品となりました。

共演者は、松坂桃李、柄本明、ネプチューンの原田泰造など多彩な顔ぶれが脇を固め、命をテーマに繰り広げられる感動作です。

タイトルから連想されるアントニオ猪木は本作に一切関係していないのですが、主人公2人が猪木の名言「元気ですかー!」と叫ぶシーンがあります。

 

命に向き合う映画。
今、生きることに迷っている人がいたら観てほしいです。

岡田将生のどうしようもない怒りに叫ぶシーンは鳥肌が立ち、榮倉奈々の紡ぐ言葉一つ一つは心に響く。泰造さんも素敵だった!

よくある、静かで淡々と進む、よく分からない邦画だと一見思われてしまいそうですが、私もそう思っていましたが、その考えは簡単に裏切られました。
とても印象的な作品です。

誰かに遺されてしまうくらいなら、先に逝きたい…
死と老後と今生きていることについても考えさせられた。

普段映画で泣いたり…などないのですが、思わず涙してしまいました。
それぞれが抱える想い、自分を責める気持ち、痛いほど伝わってきてとても考えさせられる作品だと思います。

あらすじ

高校時代、同級生との人間関係に傷つき、心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田将生)は、躁鬱病に悩まされていました。治療によって少しずつ心の状態は安定していき、高校卒業から3年経った頃から、父親に紹介してもらった遺品整理業者『クーパーズ』で働き始めることになりました。

そこで出会った久保田ゆき(榮倉奈々)や仕事仲間に仕事のやり方を教わりながら、杏平は少しずつ心を開き始め「命」と向き合う現場を経験していきます。そんなある日、ゆきは衝撃的な過去を杏平に告白し、彼の前から姿を消してしまい・・・。

見どころ

2人の主役のストイックな役作り

今作の主演を演じた岡田将生さんと榮倉奈々さんは、撮影に入る前に、実際の遺品整理業の現場を体験したそうです。作業をしていくうちに、様々な感情が湧いてくるのですが、そこでプロとしてのスタンスが問われると感じ、それぞれに気付きがあったようです。

他にも、岡田さんは吃音の少年の役を演じたので吃音について学び、榮倉さんは撮影中は友人とも会わず、役に没頭し自分を追い込んでいたそうです。

そんな二人の渾身の演技は見どころですね。

スタッフ

原作:さだまさし(幻冬舎文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:田中幸子・瀬々敬久
企画プロデュース:平野 隆 下田淳行
音楽:村松崇継
主題歌:GReeeeN「恋文~ラブレター~」(NAYUTAWAVE RECORDS)

キャスト

永島杏平:岡田将生
父と二人暮らし。遺品整理業者『クーパーズ』でバイトしている。緊張するととっさに言葉が出ない吃音を抱えている。人間関係のもつれで心を病み、精神科に通院した時期がある。

久保田ゆき:榮倉奈々
遺品整理業者『クーパーズ』勤続2年目のアルバイト。手首にリストカットの痕がある。

佐相博:原田泰造(ネプチューン)
『クーパーズ』の社員。真面目で親しみやすい。面倒見が良く頼りになる。

古田厚志:鶴見辰吾
遺品整理業者『クーパーズ』社長。

松井新太郎:松坂桃李
杏平のクラスメイト。人気者に見られているが、実は偽善者。

山木信夫:染谷将太
杏平の同級生。あまりクラスに馴染めないでいる。

菊田:厚木拓郎
杏平の同級生。

萩原先生:津田寛治
高校の山岳部顧問。

永島信介:吹越満
杏平の父親。

逸美:洞口依子
杏平の母親。杏平と信介を捨てて家を出ている。

【遺品整理業で関わる遺族他】

大沢稔:堀部圭亮
美智子:宮崎美子
岡島あかね:檀れい(友情出演)
井上正志:柄本明
井上の妻:宮下順子
団地の自治会長:諏訪太朗
老人ホームの職員:渡辺真起子
老人ホームの職員:斎藤洋介
少女の母親:江口のりこ
同級生:太賀
安田:荒井敦史

 

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アントキノイノチ(映画)の感想

40代女性

引きこもりの子供に遺品生理というお仕事を紹介する父親がすごい。今の自分を変えるには、死との対面は大きな力を発揮することでしょう。単なるいじめ問題が原因かと思いきや、それ以上にヘビーな内容で心が締め付けられました。いじめのターゲットとなっていた子をかばったがゆえに自身が標的にというのはあること、でも放っておいたらその子が自殺することとなるかもしれないのです。一人ではなく二人・二人ではなく複数で立ち上がることが必要なのですが、学校という閉ざされた世界でいるとなかなか難しかったりします。いじめの首謀者やいじめられる立場だった子だけでなく、見てみぬふりをして3年間やり過ごしていた我々にも突き刺さりました。そしてレイプされたがゆえに親にも見放された女の子、彼らが遺品整理を通じて何か感じ取り生きる勇気が湧いてきてそれでハッピーエンドと終わらないのがやりきれないところ、「アントキノイノチ」というタイトルと共に最後の部分を付ける必要があったのだろうかと思ってしまいます。その部分が蛇足かどうかは人それぞれ考え方は違うでしょうが、涙無くしては見ることの出来ない映画です。岡田将生さん・榮倉奈々さんの熱演が良かったです。

50代女性

ダジャレのようなタイトルに、軽い気持ちで観始めましたが、とても深い意味のある映画でした。主人公の杏平(岡田将生)は、高校時代、いじめを受けていたことからの出来事で、友人の死を目の前で見てしまいます。自分のせいだと思って、心を病んでしまいます。引きこもりがちだった杏平は、遺品整理業者で働き始めます。社長(鶴見辰吾)のもとで、孤独死した老人の住居などを片付ける仕事をしています。汚れていたりして、匂いがひどかったりの部屋も片付けますが、そこでは、亡くなった人の人生も見ることになります。そこで、人とのつながりや命の尊さを感じていきます。人の死を目の前にして、杏平の心も変わっていくところがよくわかって、心にしみてきました。残されたものは、決してごみではない、思い出なんですよね。先輩のゆき(榮倉奈々)の腕にはリストカットの後があり、心に傷があることがわかります。こういうところで働くのは、心に傷を持つ人多いのかもしれないと思いました。だから、どんな場所でも、優しい心で作業することができるのでしょう。2人は、惹かれあっていきます。でも、ゆきはいなくなってしまいました。2人が親密になっていくことから逃げたのかもしれないと思いました。最後は悲しいけれど、温かい気持ちになる終わりでした。原作はさだまさしさん。知りませんでした。岡田将生さんと榮倉奈々さんもぴったりでしたが、高校の同級生役で、松坂桃李さんと染谷将太さんが出ていたのにはびっくりしました。

40代男性

映画「アントキノイノチ」を見ようと思ったきっかけは、アントニオ猪木に関係する映画かなと思ったからでした。映画を見て思ったのは、アントニオ猪木は、まったく関係なかったので騙されたと正直思いましたが、映画の中で岡田将生さんと榮倉奈々さんが「元気ですか」と叫ぶシーンがあるだけで、そういう紛らわしいタイトルを付けたのかなと思いました。タイトルを付けた人は、絶対に意識してつけたと思います。映画の内容自体は、本当に命について考えさせられるものでした。同級生が自殺したという過去を持つ主人公の岡田将生さんが、遺品整理業という仕事にアルバイトでもつこうと思ったキッカケが命の大切さを実感したかったからなのか、命に関わることをしていないと自分が壊れてしまいそうだと思ったからなのか、その両方の可能性があるなと思いました。遺品整理で訪れる現場の遺族の態度やいろいろなことが原因で亡くなった人のことなどが描かれていて、生きている事と死ぬこと、命とは何か、など、深く考えさせられる映画だと思いました。主人公が遺品整理の現場での仕事を通して、少しずつ変わって行く様子が見ていて分かり、岡田さんの演技力が素晴らしいなと思いました。ちょっとした仕草など細かいところにも気を配っている演技は、さすがだと思います。

30代女性

アントキノイノチを初視聴した時、その当時映画・告白で岡田将生さんを見たばかりだったので、また違うキャラクターでかなり驚きました。かなりカメレオン俳優さんなんだな、と感じました。W主演に榮倉奈々さんというなかなか豪華な俳優陣でかこまれていて、なかなか面白かったです。同時に原田泰造さんも出演されていて、笑顔に場が和みました。この話の中には遺品整理の会社の話が出てきますが、なかなか身近にはなかった話題だったので、かなり興味深かったです、最近では当たり前の様に聞く話になりましたが、かなりリアルで驚きました。自然死だったり、自死だったりとなかなかリアルな生を映画と言えど垣間見ることが出来てかなり面白かったです。岡田将生さんも榮倉奈々さんも、2人とも過去にトラウマを持っている主人公たちですが、そこがまたリアルな感じでなかなかキツイ瞬間もありました。他にもなかなか目を逸らしたくなる現実的な事件性のある部屋もあったりとなかなか精神的にはキツイところもありますが、これが現実にあるのだと思わされてまた考えさせられる映画でした。榮倉奈々さんの過去がまたなかなか悲惨でしたが、タイトルのアントキノイノチとはそういうことなのか、とガッテンがいくシーンがあり、面白かったです。

30代男性

原作はさだまさしさんの著した小説とのことで、多才ぶりに驚かされますね。物語は、遺品整理業というあまり聞き慣れない仕事を取り上げていて、興味深かったです。遺品を取り扱うということは、親しい者を亡くした遺族と向き合う仕事な訳で、否応なしに生と死に向き合うことになってしまいます。そんな遺品整理業者『クーパーズ』で働く長島杏平と久保田ゆきという2人の若い男女が主人公です。長島杏平は高校時代にいじめの末に親友が自殺するのを止められず、さらに自身もいじめられたことが深い心の傷になっています。また、久保田ゆきも高校時代にレイプの被害に遭い、更に妊娠・流産したことで言い知れぬ罪悪感を抱いています。そんなトラウマを抱えた2人の若者が、遺品生理業の仕事を通して命に向き合ってゆくのですが、2人の恋愛要素も詰め込まれたためか、ややテーマが散漫になった印象はありますね。一方で、主人公とヒロインを演じた岡田将生さんと榮倉奈々さんの演技は情熱的で、苦悩する若者を上手く演じていて素晴らしいと思いました。2人の役者さんの魅力を堪能するための映画と言っても過言ではないでしょう。最後には衝撃的な展開も待っていて、終始目が離せない映画です。

20代女性

この映画は普段とは違う角度から「命」について考えさせられる映画だと思います。私たちにとって命はもちろん大切なものですが、頭ごなしに「命を大切しなさい」と言われても「確かにな」とは思いながらもなかなか心に響かないことはありませんか?特に忙しい日常に追われていると「自分がどう生きて、どうありたいか」などなかなか考える時間は少なくなってしまいやすいのではないでしょうか。そんな時にオススメの映画がこの「アントキノイノチ」です。この映画ほ主人公が遺品整理業者として働くところから始まります。遺品整理となっていますが実際は主に孤独死をした方の自宅の片付けです。主人公はこの遺品整理の仕事を通して亡くなった方が大切にしていたものや依頼人である遺族の心境の変化などに触れてゆきます。すると主人公にも生き方や命に対する考え方などに変化が出てきます。ストーリーの中には自分の生き方に疑問をもつ人たちが登場しますが、登場人物を通して、自分自身の生き方や命のありかたなどに対して自然と考えさせられる映画だと感じました。またさまざまな価値観がある現代では、自分が他人より劣っているのではないかなど、自分自身に劣等感を感じてしまうことも現代では珍しくはありません。自分のありかたや生き方に違和感を感じている方などにオススメしたい映画です。この映画を通して普段とは違う別の角度から「命の大切さ」を考えて見てはいかがでしょうか。

30代女性

タイトルだけで食わず嫌いをして、見なかった映画です。プロレスラーを思い起こしてしまって、コメディかな?と思ったくらいです。まさかこんなに重いテーマを取り上げていたなんて思いもしませんでした。あっという間の2時間でした。最初のワンシーンから、とてもインパクトがあります。画面が不安定で、映画館で見ていたら酔ってしまったかもしれません。画面は少しずつ安定してきます。その時その時の、心の痛みが表現されていたのかもしれないと、ラスト近くのシーンでおもいました。あと、BGMがとても控えめです。数カ所でやわらかい音楽を聞くことができます。最初のワンシーンから出演している岡田将生と、榮倉奈々は、遺品整理の会社で知り合います。岡田将生は吃音があり、躁鬱の症状もあると語っていました。高校生の頃、同級生の自殺の現場を目撃したこともあります。山岳部で、仲間からの嫌がらせを受け、生死がかかる状況に追い込まれたこともあります。その様子は現在と並行して描かれています。榮倉奈々は高校生の頃に望まない妊娠をさせられ、子どもは流れてしまいました。その子どものことを、「あの時の命」と表現したことが、タイトルにつながります。悲しいラストです。それでも、自分のことを話すことが出来る相手と出会うことができたことは救いですし、希望です。見てよかったと思う映画です。

30代女性

元気ですか? というアントニオ猪木のあのお決まりのセリフがこんなにも重く響くとは……。重い過去に囚われ、心が壊れかけてしまった若者ふたり、杏平とゆきは遺品回収業の仕事を通して亡くなった人たち、そして残された人たちの思いに真正面から向き合うことになる。そこにあるのはさまざまな社会の断片と、人が死ぬということ、相反するように、生きるということ。過去の痛みに押しつぶされてしまいそうになってしまった潰されかけていた二人は生きることを模索し、現実に向き合っていく。遺品回収業の仕事は彼らの過去を浮き彫りし、時に容赦のない痛みを突きつけながら「いまここで、生きている」ことの意味を教えてくれる。あの時繋いだ命の先に、今の自分がここにいること。お互いの絆を感じること、生きる意味を模索していくこと。あざとい、くさいと言われるかもしれないが、そこはフィクションだからこその持ち味と言えるだろう。過去を消すことが出来なくとも、前に向かって歩んでいくことは出来る。ゆきとの出会いを経て杏平は、しっかりと自分の人生を見つめ、「いま」に希望を見出していたのだ。人と絆、生きる意味、生きていくことで感じる悲しみと喜び、そのすべてが純粋な心を持った若者たちの瑞々しい演技によって描かれ、胸を打たれる。

40代女性

とても暗くて、悲しいお話でした。だけど主人公の杏平やヒロインのゆきのように、胸につっかえを抱えたまま必死に生きている人もいるのだと共感しました。人生が辛いのは、決して自分だけじゃないのだと。特に序盤で繰り広げられる杏平の高校時代のストーリーが心苦しかったです。自殺した山木役の染谷将太さんや、いじめっ子の松井役の松坂桃李さんの演技が凄まじくて、杏平の高校時代がいかに暗黒だったかが伝わってきました。メインキャストのお二人には申し訳ないのですが、染谷・松坂両氏の演技が抜きんでていたと思います。染谷さんなんか出番がほんのちょっとしかないので、勿体ないくらいでした。一方で、一度は”死”を意識したことのある杏平やゆきが、遺品整理という仕事を通して人生をやり直していく姿に、ちょっとだけ勇気が出ました。時に耐えがたい現場もある中で、それでも心を込めて作業をする遺品整理士のみなさんに、リスペクトの気持ちを抱きました。いつかは自分自身も遺品整理を依頼する可能性もあるわけですが、劇中に登場した遺品整理士のような方にお願いをしたいと感じたものです。モデルになった遺品整理業者が実在するそうなので、頭に入れておきたいと思います。

 

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