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ハンターキラー潜航せよ(映画)の内容
映画『ハンターキラー 潜航せよ』は、2018年10月にアメリカ、2019年4月に日本で公開されました。
原作は実在する米海軍原子力潜水艦ヒューストンの元艦長ジョージ・ウォーレスと、受賞歴のあるジャーナリストでありベストセラー作家でもあるドン・キースの二人によって共同執筆され、息をのむほどリアルな物語が読者を夢中にさせた同名小説です。
その原作小説を基にアーン・シュミットとジェイミー・モスが脚本を手掛け、海上と地上を舞台とした緊迫感あふれる物語にまとめ上げ、米国防総省×米海軍全面協力の元、『ワイルド・スピード』製作陣によって制作されました。
そんな本作の主演は、映画『300 <スリーハンドレッド>』で屈強な肉体を披露したジェラルド・バトラー。共演にゲイリー・オールドマン、コモン、リンダ・カーデリーニ、トビー・スティーヴンス、ミカエル・ニクヴィストなど豪華俳優陣が集結しました。
なんてカッコイイ人たちなんだろうか。男も惚れる漢たちの物語で、ずっとハラハラさせられあっという間に時間が過ぎていきました。
こういったジャンルはあまり見ませんが、機会があり鑑賞。予想以上に面白かったです。また、途中から地上部隊と2つの物語が展開されていくのも良かったです。
聞きなれない単語が山のように出てきますが、難しく考えなくても楽しめる作品であり、プロの姿勢を見せてもらいました。
終始ドキドキハラハラ。戦闘シーンも内容も飽きることなく最後まで観れました。モニターでも十分迫力はありました。
あらすじ
ロシア、バレンツ海にて米海軍の原子力潜水艦であるタンパベイが姿を消したとの知らせが入りました。そこで、ジョー・グラス艦長率いる攻撃型原潜“ハンターキラー”を大量のロシア船が居る海域へと捜索に向かいます。
そこで目にしたのは内側から爆発され無残に沈んだロシア原潜。それがタンパベイからの攻撃で出来たものではないと不信感を抱いていると生存者を発見。その三人のロシア人を捕虜としてハンターキラーに乗せます。
同じころ、地上ではネイビーシールズ精鋭部隊長のビル率いる四人のチームに対して、ロシアへの極秘偵察ミッションが課せられました。そこで、ロシア国内で世界を揺るがす壮大な陰謀が企てられていることが判明。
世界的緊急事態を回避するために、ハンターキラーに成功率が限りなく0に近い任務が下される。世界の運命は一隻の潜水艦に託されました…。
見どころ
緊迫感あるサスペンス×スリルあるアクション
本作では、原潜の緊迫感あるサスペンスと、スリルあるアクションシーンに国家間の緊張感が伝わってきます。
舞台となるアメリカとロシアといえば、現実世界でも『冷戦』で緊張が走る場面があります。本作でも、そのように両国家間を通じてやり取りだったり闘いが見られました。
世界クラスの危機に直面した緊迫感を、豪華キャストたちによって表現されており、非日常的な刺激を与えてくれます。潜水艦ものの作品にハズレなしと、良く聞きますが本作もその1本となっております。
ジェラルド・バトラーの新たな一面
『エンド・オブ・ホワイトハウス』や『ザ・アウトロー』といった主演作で、頼れる男役を演じてきた最も熱いアクションスターの一人、ジェラルド・バトラー。どちらかと言えば、肉体派アクションが目立つ役どころが多い印象でしたが、本作で演じた艦長のジョー・グラスはそうした見せ場は皆無といって良いほどありません。
しかし、どんな緊急事態が発生しようとも、常に頭脳明晰かつ冷静沈着に対処していく、これまでとは違った頼もしさを見せてくれました。
また、海軍の技術顧問であるラッセル・クーンズから指導を受け、軍事コンサルタントから潜水艦乗組員が使う辛口で強い口調のスラングも学ぶなど、細かいところにもこだわりを持って制作されております。
“頼れる男を演じさせたらナンバー1俳優”の新たな一面をお楽しみください。
スタッフ
原作:ドン・キース & ジョージ・ウォレス『ハンターキラー 潜航せよ』
監督:ドノヴァン・マーシュ
脚本:アーン・シュミット / ジェイミー・モス
製作:ジェラルド・バトラー / マーク・ギル / トビー・ジャッフェ / マシュー・オトゥール / ニール・H・モリッツ / アラン・シーゲル / レス・ウェルドン / ジョン・トンプソン / タッカー・トゥーリー
製作総指揮:クリスタ・キャンベル / ジェフリー・グリーンスタイン / ラティ・グロブマン / ケヴィン・キング / アヴィ・ラーナー / クリスティーン・オタール / アーン・シュミット / ハイディ・ジョー・マーケル
音楽:トレヴァー・モリス
撮影:トム・マライス
編集:マイケル・J・ドゥーシー
キャスト
ジョー・グラス:ジェラルド・バトラー
バージニア級原子力潜水艦アーカンソーの艦長。一兵卒からの叩き上げ。
ブライアン・エドワーズ:カーター・マッキンタイア
潜水艦アーカンソーの副艦長。
チャールズ・ドネガン:ゲイリー・オールドマン
統合参謀本部議長。
ジョン・フィスク:コモン
海軍少将。
ジェイン・ノルクィスト:リンダ・カーデリーニ
NSA局員。
ビル・ビーマン:トビー・スティーブンス
Navy SEALs隊員。偵察チームのリーダー。
ポール・マルティネリ:ゼイン・ホルツ
デヴィン・ホール:マイケル・トルッコ
マット・ジョンストン:ライアン・マクパートリン
Navy SEALs隊員。ビーマンの部下たち。
アイリーン・ドーヴァー:キャロライン・グッドール
アメリカ合衆国大統領。
ザカリン:アレクサンドル・ディアチェンコ
ロシア大統領。
セルゲイ・アンドロポフ:ミカエル・ニクヴィスト
アクラ級原子力潜水艦コーニクの艦長。
オレグ:ユーリー・コロコリニコフ
ザカリンのSP。
ウラジミール・ストレフ:イリア・ヴォロック
アクラ級原子力潜水艦艦長。
ドミトリー・ドゥロフ:ミハイル・ゴア
ロシアの国防相。
トレチャク:イゴール・ジジキン
ロシア特殊部隊の隊長。
原子力潜水艦タンパベイ艦長:コーリィ・ジョンソン
海軍の士官:デヴィッド・ギャーシー
海兵隊員:ガブリエル・チャバリア
ベルフォード:テイラー・ジョン・スミス
潜水艦アーカンソーのソナーオペレーター。
ターナー:シェーン・テイラー
潜水艦アーカンソーの水雷長。
メディック・ジョーンズ:リチャード・ヒルズ
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ハンターキラー潜航せよ(映画)の感想
まず最初に潜水艦に魚雷が近づいてくるシーンが、ワクワクします。ジョーズでジョーズが近づいて来る音楽が聞こえるとワクワクする感じと似ています。潜水艦は、本物を使用しているということで、とてもリアルです。任務中、マルティネリ(ジョーの部下)は怪我をして隠れていましたが、他の3名が絶対絶命という瞬間に銃が飛んできた時には鳥肌が立ちました。まさか、マルティネリだとは思いませんでした。ただし、怪我をしているので、マルティネリは一緒に逃げることができませんでした。潜水艦に戻ったジョー達ですが、そのまま帰国することが命令のはずなのに、それを当たり前のように拒み、潜水艦のドアを閉めてしまうシーンはカッコよかったです。そして、ジョーがマルティネリを助けに行くシーンは感動です。アメリカへ戻ることができない可能性が高くなってしまうのに、そんなことお構いなしに部下の元へ戻っていきます。マルティネリが撃たれる直前に助けにきたシーンは、感動しました。こんな救出シーンカッコイイです。こんな上司欲しいと思わず思ってしまいました。ロシアの船長との友情関係も素晴らしかったです。同じ海の中で過ごす者としてのお互いを尊敬しているからこそ、協力することができたと思います。ロシアの船長と、船長が育てあげた精鋭部隊との関係性も素晴らしいです。信頼しているかたこそできる行動を見ることができます。最初から最後までワクワクが止まらない映画であり、人と人との繋がりが素晴らしいなと思える映画でした。
漫画の『沈黙の艦隊』や映画の『レッドオクトーバーを追え』等々、「潜水艦ものに外れなし」と言われますが、本作もその例に漏れず、それら過去作のエッセンスを上手く現代的にまとめ上げています。潜水艦の攻防戦だけでなく、 ゲイリー・オールドマン演じる、統合参謀本部議長やキャロライン・グッドール演じる女性アメリカ合衆国大統領らによるポリティカルサスペンスや、陸上の特殊部隊による隠密潜入作戦など、多方面展開するストーリーで、3倍ハラハラドキドキが楽しめるのが良いですね。同じ潜水艦乗り同士、国が違っても相通じるものがあって、敵味方という立場を超えての連携があったりするのもお約束ですが、やはり燃える展開です。潜航する際に船体の傾きを直立の姿勢を崩さないで耐える船長らを、横から捉えたショットが何やらおかしみを感じさせて、本作の象徴的シーンになっています。ロシア連邦の政情の不安定さをベースにした危機の演出も納得感があり「こんなことになってもおかしくはないな」という感想を抱きます。クライマックスの潜水艦ⅤSロシア水上艦の攻防は最後の最後まで行方が定まらない、非常に緊迫感、スピード感にあふれ、一瞬たりとも目が離せません。
ハンター・キラーは、ワイルドスピードシリーズの製作陣が担当しており、あちらはストリートレースがテーマでしたが、ハンターキラーは潜水艦戦が主軸になっている作品です。深水での戦闘になるので地味になるのかと思うと、そんな事は無く、従来の潜水艦を使った作品とは違って、丁度良いエンターテイメント性がある作品に仕上がっています。クーデターが起こったロシアで、拘束されているロシアの大統領をアメリカの海軍が救いに行くという、なかなかめちゃくちゃな設定ですが、ロシア側に知られないように、地雷やソナーなどに気をつけながら潜水艦を進めていくシーンは緊迫感を感じさせていました。ロシア側にバレた時に起こる戦闘においては、一気に派手な爆発シーンが展開されており、ストーリー全体の各シーンのバランスがとても良いのだと思います。こういう要人の救出劇では、主人公とヒロインのラブロマンスなどが展開されて、ちょっとしたアクセントになっていますが、ハンターキラーは要人救出劇でも軍隊での人間模様を重視して作られています。その為、人間ドラマを観たいという場合にも良い作品ではないかと思います。地味になりがちな潜水艦バトルも、ストーリー構成を上手に行う事で面白い作品になるという事を認識させられます。
映画の内容としては、まさにタイトル通りの作品である。米軍の潜水艦が海中深くを潜航する……潜水艦とはそれを目的として建造されているのであり、自明の理といえばその通りなのだ。だが本作では、潜航に至るまでの舞台作りが非常に巧妙であり、視聴者の興味を釘付けにする設定が散りばめられている。今作での舞台はロシアであり、主役となる米潜水艦は極秘任務の為にロシア海域への潜入を行うこととなる。目的は米兵の救出と要人保護という、内容としては地味な印象だ。先行して潜入している米軍の特殊部隊こそが主役であり、潜水艦はその補佐でしかないではないか、とも思われる。その通りだ。では何故、主役が特殊部隊ではなく潜水艦なのか。それは物語の主題が、海の男の生き様にあるからだ。米潜水艦艦長のグラスは、映画の中では「人生の大半を水中で過ごした男」と言われている。まさに生粋の船乗り、海の男と言えるだろう。新任の艦長として潜水艦USSアーカンソーに乗り込んだグラスは、まず船員たちの信頼を勝ち得なくてはならず、その彼らを率いて難題の極秘任務にも挑まなくてはならない。映画ならではの波乱万丈展開だ。見ている側としてはそれだけでも胸が高鳴るが、次々に襲い掛かってくる窮地は、海中という場所がいかに難解で複雑で、そして危険な領域であるかということを教えてくれる。そんな中を必死に抗い、知恵と経験を頼りに切り抜けてゆく米兵たちの姿は視聴者の共感を呼び起こさずにはいないだろう。物語は潜水艦内がメイン舞台ではあるが、地上の特殊部隊の動きもしっかりと描かれている。彼らの、あらゆる場面に対応する有能さとタフな肉体と精神、そして仲間との絆も見どころの一つとなっている。海と陸、双方の動きを臨場感と緊迫感をもって描き、海の男の生き様を見せつけ、手に汗握る展開で視聴者を魅了して止まない本作は爽快さをも心に呼び起こしてくれる良作となっている。一度は見ておいて損のない作品といえるだろう。
「ハンターキラー 潜航せよ」は、2018年公開のアメリカ映画。主演はジョー・グラス役のジェラルド・バトラー。主人公のグラスは、ファーストインプレッションは「むさいおっさん」だが、ストーリーが進むにつれて非常にかっこよく見えてくる。バージニア級原子力潜水艦アーカンソー、通称”ハンターキラー”の艦長。海軍兵学校を出ておらず、下っ端の潜水艦乗りから艦長まで上り詰めた。初手は「君たちの仕事は俺が自分でやった方が早い」などといやなことを言うが、次第に動くべき時は動ける、待つべき時は待てる艦長ぶりを見せていく様子が頼もしい。物語はアメリカ海軍ロサンゼルス級原子力潜水艦タンパベイがロシア近海で交戦、沈んだと思われるところから始まる。ハンターキラーはその捜索のために現場へ。同時期にロシア国内では国防相ドゥロフによるクーデターが起こり、大統領が監禁されてしまう。ロシアとの戦争回避を目的としてロシア大統領救出作戦が進められることになる。ハンターキラーはタンパ・ベイ捜索のためロシア領海内に入り込んでしまうので、ドゥロフ側と交戦。このとき、ドゥロフの手先によって沈められたロシア海軍アクラ級原子力潜水艦コーニクのアンドロポフ艦長の協力を得るが、このアンドロポフもなかなかかっこよいおっさんで、全体的におじさんがかっこいい映画だなあという印象が強く残った。映画終盤、ハンターキラーはロシア側のある行動によって九死に一生を得る。ここのストーリー展開はご都合主義との意見もあるようだが、こういう映画は水戸黄門のような勧善懲悪であってこそ価値があると思うタイプなので、最初から最後までワクワクしながら見ることが出来て満足。
ロシアのタカ派によるクーデター、敵国軍人に抱く敬意、核戦争が怖くないのかとつっこみたくなる軍首脳といったどこかで見たことがあるような要素をつないだ感のある映画ですが、主演のジェラルド・バトラーが映画に説得力をもたせています。海軍兵学校出身でなく、潜水艦のあらゆる仕事を担当してきた、一兵士からたたき上げた男です。潜水艦アーカンソー号の新任艦長として堂々と、戦闘において的確な指揮を見せていきます。沈没した潜水艦から救出してフィヨルドの航行に協力してもらったロシア潜水艦艦長がこんな豪胆な男は見たことがないと言う男にふさわしい風格を漂わせています。もちろん、命令にありませんとか、軍法会議にかけられますとか、艦長にご注進を繰り返す常識人らしい副艦長の存在が艦長の豪胆さを際立ててもいるわけですが。その豪胆さは人間の濃い信頼関係に全てを託すという映画のクライマックスに結実します。ところが、ここで問題は、最後に使われる武器のあっけにとられるほどの破壊力が、人間ドラマをふっとばす印象を与えることです。ロシア基地が爆破され、クーデターを起こした国防省ばかりか、彼に命令されてしたがっただけであろう兵士たちもまとめて殺されてしまったと予想されます。兵士の目から見られた戦いの映画から、ペンタゴンの司令室から見た映画に転じてしまったようでもあります。
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