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突入せよ あさま山荘事件(映画)の内容
映画『突入せよ!「あさま山荘」事件』は、2002年5月に公開されました。
1972年2月19日、長野県軽井沢町で実際に起きた、連合赤軍のあさま山荘事件。当時実際の現場で指揮を執るために派遣された佐々淳行さんによって執筆された『連合赤軍「あさま山荘」事件』を原作に、映画『日本のいちばん長い日』などを手掛けた原田眞人さんが脚本と監督を務めて制作されました。
物語は、警察に追われた連合赤軍のメンバーがあさま山荘に侵入し、人質を取って立てこもる事件が発生。マイナス10度を超える極寒の中で、その困難に立ち向かった警察の闘いが描かれております。
原作を執筆し、モデルとなった佐々淳行役を役所広司さんが演じるほか、宇崎竜童さん、天海祐希さん、伊武雅刀さん、藤田まことさんなどトップ俳優たちが、この実話を再現いたしました。
役所広司さんの急いで作戦を説明する時に出てしまう「えぇと」「んでもって」と非演劇的なセリフ回しをしているところがドキュメンタリーな演出となっていて凄い好きで、見入った要因になっていると思いました。
仲間内の揉め事が一番あってはいけないことですよね。“日本の警察は優秀”と言われているので、今はこんな事ではないと期待したいですし、そもそもこんな事件が起きないことを祈るばかりです。
これが本当にあった話だってことがとても興味深くて面白かった。臨場感があって、戦争を見ているかのように感じました。
混乱状況が物凄くリアル。それにしても派閥やら世間体やら、どこにでもあるんですね。次は実話の方を観てみようと思います。
あらすじ
1972年2月19日。長野県軽井沢のあさま山荘に連合赤軍の五人が管理人の妻を人質に取って立てこもる事件が発生しました。
長野県警だけでは対処できないと判断した警視庁長官・後藤田(藤田まこと)は、欧米出張から帰国したばかりの佐々(役所広司)に現場へと向かわせ、陣頭指揮を任せること。
しかし、現場へと到着すると弁当も凍る寒さに、面子に固執する警視庁と長野県警の対立。先の見えない戦況に業を煮やすマスコミに全国から押し寄せる野次馬。さらには、あさま山荘が天然の要塞と化していることを知り、愕然とします。
当初は2~3日で解決すると思われた事件は、人質の安否も分からぬまま1週間も経過してしまったのです…。
見どころ
一度は観ておくべき実話
本作は日本で実際に起きた事件を映像化した作品であり、日本人であれば一度は観ておくべきでしょう。
当時の情景描写も素晴らしいだけでなく、物語に一貫している組織が生み出す一長一短。本作での軋轢でわかりやすいのは、長野県警と警視庁の対立構造ですが、その裏には細かいところに至るまで揉め事が絶えません。
日常的に起こるような事件ではありませんし、実際に死傷者も出てしまっている為、この事件がもたらした課題は多く、リーダーシップの重要性がわかる作品に仕上がっておりました。
あさま山荘へ突入の日
主人公・佐々を演じた役所広司さんは、ほとんど全編に亘って出ずっぱりでしたが、飽きることなく最後まで見させてくれた彼の演技力は流石。
また、脇を固めた贅沢な役者さんたちとの突入シーンは見事。あさま山荘の中はバリケードなどで狭くなっており、電気が止められているだけでなく、鉄球や放水によってメチャクチャ。そんな閉ざされた乱雑な空間の中での乱闘が上手く表現されております。
映画後半部分の約1時間は、この突入の日が描かれておりますが、すっかり見入ってしまう映像になっておりました。
スタッフ
原作:佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』
監督・脚本:原田眞人
製作:佐藤雅夫 / 谷徳彦 / 椎名保 / 熊坂隆光
音楽:村松崇継
撮影:阪本善尚
美術:部谷京子
編集:上野聡一
キャスト
佐々淳行:役所広司
立てこもり事件の陣頭指揮を執るために警視庁から派遣された刑事。どれをとっても困難な6つの条件を出される。長野県警と警視庁との間での対立が起きているなど、様々な問題に直面している。
宇田川信一:宇崎竜童
野間長野県警本部長:伊武雅刀
佐々幸子:天海祐希
丸山昂:串田和美
富沢警備局長:重松収
兵頭参事官:篠井英介
石川警視正:山路和弘
後藤田正晴:藤田まこと
内田尚孝:豊原功補
大久保第九機動隊長:矢島健一
山野第二機動隊小隊長:遠藤憲一
佐治警視:松岡俊介
東野通信技官:池内万作
後田成美:原田遊人
石野巡査:甲本雅裕
國松孝次:田中哲司
菊岡平八郎:光岡湧太郎
高見繁光:加藤満
小野沢警部補:榊英雄
ホトケのトミさん:村田則男
小林特科車両隊長:木村栄
石原警部:古本恭一
片山第二機動隊副隊長:長森雅人
上原勉:工藤俊作
分隊長:石丸謙二郎
木戸隊員:荒川良々
反後課長:大森博史
柳木課長:田中要次
山根警備部長:山崎清介
鈴木警備課長:深水三章
萩隊長:山田明郷
白竜組社長:椎名桔平
犯人:大塚朝之 / 酒井長輝 / 井上真鳳
里見品子:街田しおん
小雀真理子:篠原涼子
小雀彰夫:松尾スズキ
小雀夫妻の親戚:江藤漢斉
大河内浩:武田真治
中野雅人:鈴木一真
中野の母:もたいまさこ
百田栄作:安藤岳史
内田隊長の母:風見章子
男:高橋和也
亀島アナウンサー:八嶋智人
映画館の客:佐々淳行 / 後田成美 / 宇田川信一
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突入せよ あさま山荘事件(映画)の感想
1972年2月に起きた連合赤軍が起こした歴史的な事件を元にした映画です。平和の中で育った自分には、理解出来ないのでは無いかと思って見始めましたが面白いです。まず視点が警察側です。人質を取って籠城している犯人側ではなく警察に置かれた点。犯人側の心理を描いたストーリーが多いのでこの展開は新鮮に感じました。そして事実を元に全てを忠実に描いているのがドキュメンタリーのようでした。特に見て欲しいのが長野県警内部のグダグダ感です。犯人がバンバン撃ちまくってるのに、こちらは撃つことを禁じられてしまいます。いったいどうやって人質を助けるのかという攻防戦。現場と組織との間に気持ちの温度差があり、危機に立たされる現場。他人事のような警察の上層部に怒りが湧き、いつしか最前線に立つ現場の方々を応援している自分がいました。10日にも及ぶ戦いの記録ですが息を飲む展開に目が離せませんでした。主演の役所広司が実に渋くてカッコいいのです。ヒーロー然としたヒーローではなく、ドタバタしながら突き進むリアルな人としてのかっこ良さでした。あの有名な鉄球で山荘を破壊するシーンもありました。おお、これが例の有名な鉄球か!と興奮しました。この映画は真実を元に再現したドキュメンタリーのような映画なので県警側のグダグダな感じも楽しめるし、長野県警と警視庁との軋轢など、順を追って描れるリアリティのある映画としておすすめします。
有名な事件「あさま山荘事件」がテーマです。警察側の視点から描かれていますが、熱く戦う物語としていない点が現実的でいいです。長野県警と警視庁との軋轢、武器の使用についての問題、警察内部の縦割り組織的な問題が取り上げられています。「突入シーン」は当時、視聴率が非常に高かったとのこと。その裏で何が起きていたのか、どんな問題が発生していたのかを知ることができる作品です。この映画の「突入」の時は、実は私が生まれて1ヵ月検診の日のことでした。母が私を抱えて右往左往しているのに、父がテレビに釘付けだったことをのちに聞かされ、ちょっと笑ってしまったことがあります。そんな私にとってはこの映画は大変興味深い作品。海外では武器を持っている犯人に対して、簡単に発砲できますが、日本ではなかなか発砲することはできません。その上人質もいる状態で如何に立ち向かったかが描かれており、これは確かにテレビ放送に釘付けになったことにうなずけるものがありました。警察がスマートに動いてスマートに解決、という作品を望む方にはじれったいものがあるかもしれません。しかし「現実」というのは大抵こんなものです。「スマートに」動けるのはフィクションの世界だけ。あの事件の裏側で起きていたことを知ることができる、面白い作品です。
1972年2月に起きた連合赤軍・あさま山荘事件を題材にした作品です。当時私は、長野県の高校生でした。当然近くの場所で起きたこの事件は他人事ではありませんでした。クラスの同級生の父親が長野県警の機動隊員として現地に派遣されていました。同級生は、とても父親の安否を気遣っていて、警官のどなたかが死亡したというニュースがあった時は、真っ青な顔をしていました。亡くなった方は他の警察官でした。この映画を見た時その事を鮮烈に思い出しました。現場にはそのような家族を持った警察官が沢山いた筈です。映画は、ほとんど警察側からしか描いていませんが、極限状態でそういった仕事に従事していた人々がいたことを知ることもとても価値があります。警察内部の対立や政府トップの思惑で、事件が相当に長引き、2名の警察官と1人の民間人が亡くなった事はしっかりと描かれていました。そんな現場の警察官の心情が、ラスト、過激派を逮捕した時のセリフに表れています。「犯人の顔を分かるように上に向かせていいですか」と上司に許しを請う時の表情は、犯人憎しということより何故違う方法がとれなかったという無念の現れのような気がします。組織と現場で働く人の難しい関係を、事件を通して映像化した作品です。
この映画で取り上げられているあさま山荘事件は1970年代に起きたものですけど、映画自体は2002年公開となっており、すごい昔の事件のはずなのに、映像が綺麗だから最近起きたような、そんな感覚に囚われます。そして、映画なので演出をしている部分もあるはずですが、登場人物である警察の人間がいかにして事件を解決に導こうとしているのか?という部分に関して、すごい緊張感が伝わってくる感じだったと思います。自分がその現場の近くにいるんじゃないか?と思うような光景であり、映画として見ると、実際の当時のニュース映像などと比べて明らかに迫力があります。あとは映画を見ないと分からないような当時の事情のような面もちゃんと表現されていていいなと思いました。例えば、警察庁と長野県警の対立のような部分は、当事者じゃないとなかなか知ることができない部分だと思いますけど、映画を見るとそこを知ることができます。普通の映画とは違った面白さを感じられる作品だと思いましたし、自分が生まれる前の出来事に関してすごい興味を持てた気分でした。あさま山荘事件について詳しく知らない人の方が楽しめる可能性が高い映画だと思うので、若い人たちにこそおすすめできると感じました。
この映画は実際にあったあさま山荘事件をモチーフにしています。私はまだ産まれていなかった頃の事件で、両親から何となく話を聞いたことがあるくらいしか詳しくありませんでした。ちょうどテレビで放映していたことがあり、この事件に関心があったことから観てみることにしたのです。実際のあさま山荘事件について詳しくなくても引き込まれます。原作本も刊行されているので原作を読んでから映画を観てみるのもいいかもしれません。立てこもりをしている人たちに呼びかける警察とのやりとりがとても緊張感があって、リアルな状態のように見えました。それに出演されている人たちの緊迫感も映像からかなり伝わってきます。実際の映像は何度かテレビで放映していたことがあり、それと比較してもリアル感がありました。よくここまで忠実に再現したなと感心したものです。それから、人間模様も垣間見ることができます。当時の人間心理状態を知ることができ、そこに共感できるものがあるのです。それぞれの立場によって感じ方や捉え方は異なるとは思うものの、それぞれに人間ドラマがあります。それと、あさま山荘事件といえばカップヌードルを連想する人も多いことでしょう。これも映画でしっかり感じ取ることができます。
この映画は歴史上有名となった、連合赤軍あさま山荘事件の詳細を描いた事件をもとにした作品です。原作は佐々淳行氏です。1972年警察に追われながらも、仲間内で病的にリンチ殺害を繰り返した連合赤軍が、長野県軽井沢のあさま山荘に立てこもった事件を、当時警察庁警備局の佐々淳行氏が現場の指揮にあたり、原作にしました。この「あさま山荘」事件はTV中継され、私もTVの前に緊迫感を持って座り込んで見ていました。映画では佐々淳行を演技派の役所広司が演じますので、役所広司ファンでなくとも緊迫した場面での展開に見入ります。あさま山荘に逃げ込んだ連合赤軍の対応事件ですが、所轄の長野県警と警察庁の内部指揮争いと言っても過言ではないでしょう。武器の使用、突入の方法など警察庁佐々淳行が軽井沢に到着した時から、数々のトラブルに見舞われます。この混乱シーンを見ていた長野県警関係者は快く思っていなかったでしょうが、現場は緊迫感を持って再現されています。混乱と攻防にある現場を再現するスタッフ、演技者、とくに役所広司演じる佐々淳行は緊張感がありました。現在の若者は反政府運動、左翼活動とはほぼ無縁な世代です。連合赤軍のメンバーは個人で見ると学力も高く、優秀な大学の人が多くいたと記憶しています。なぜ若者が人質事件を起こしたのかは詳細にしていませんが、若者が狂気へと走り、鎮圧に向かう県警と警察庁の緊張感がこちらにも伝わり、それだけでも一見の価値があります。
過激派グループがリゾート地の山荘に一般人を盾にして立てこもるという実際にあった事件に、綿密なリサーチと多角的な視点から斬り込んでいきます。銃器を一切使用せずに人質を救助するという困難極まりないミッションに挑むのが、役所広司が演じている佐々敦行警視正です。海の向こうで同じような事件が発生した場合にはたちまち銃撃戦へと発展して、犯人一味は問答無用で射殺されてしまうでしょう。ストイックな佐々の横顔からは、例え自分たちに犠牲が出たとしても実行犯を生け捕りにして必ず真相を突き止めるという強い意志が伝わってきました。警視庁から派遣されて現場の指揮を執ろうとする佐々に対して、地元・長野県警のお偉いさんは協力的ではありません。組織の複雑な縄張り争いに悩まされつつも、如何にしてお互いのメンツを立てて事件解決を最優先にするのかが見ものです。巨大な鉄球をクレーン車で操作してバリケードを突破する終盤戦は、あの時代を生きた方であれば胸の奥に焼き付いているのではないでしょうか。何かにつけて冷めている今の若い世代の皆さんは、政治に熱心なごく普通の学生たちが如何にして破滅的な道のりへと歩んでいったのかにも思いを巡らせてください。
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