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昨今の映画は、観客の求めるリメイクや漫画や小説の実写化などが多い中で、オリジナル脚本でここまでぶっ飛んだ作品を作れることが一番のロックだと感じました。

作品構成が舞台の演技のようで新鮮でした。阿部サダヲさんの集大成のような作品だと思います。

吉岡里帆さんのユーモアある演技、阿部サダヲさんのパンクなカッコ良さ、麻生久美子さんのノリノリな感じ、千葉雄大さんの小物感、松尾スズキさんの持ち味のシュールさなど、全てのキャストが輝いている映画でした。

良い意味で、好き嫌いが極端に分かれる映画だと思います。ハマる人にはどハマりし、ハマらない人には響かないかと。私は全体的に面白いと思いましたし、あと曲が素晴らしいかったと思います。

とにかくスピード感があり、付いていくのが大変なくらいでしたが、面白い映画でした！シン役の阿部サダヲさんは、グループ魂でもボーカルとして歌っているので、さすがにサマになっていました。あのロックスターのメイクもお似合いです！そしてふうかを演じた吉岡里帆さんの安定の可愛さ…。歌っている姿も素敵でした。このふうかの声が最初はとても小さくて、自信なさそうなのですが、物語が進むにつれて変わっていく姿にはグッときました。特に最後のシーンでは、私も言い訳ばかりじゃなくて頑張らないとなぁ…と思わされました。誰でも自信がないと前になかなか進めないけれど、なんとか一歩ずつでも踏み出して、前に進んで成長していくのだなぁと改めて思わされました。また、ミュージシャンの映画なのでいろいろな曲が出てくるのですが、どれも最高でした！特に最後にふうかが歌う「体の芯からまだ燃えているんだ」。最初の大人しいふうかとは歌い方も違いますし、自信をつけて大きな声で歌う姿は本当にかっこいいです！個人的には、ふうかが歌う「まだ死にたくない」も、大好きだった元チャットモンチーの橋本絵莉子さんが作った曲でもあり、また聴きたいなと思わされました。

好きな三木聡監督作品ということで楽しみに観ました。いつもとは感じが違ってこれはコメディーなのか？小ネタを挟んだシリアスな話なんじゃないのかと思いました。色々と名言飛び出していました。「やらない言い訳探してるんじゃねーよ」とか、自分に言われているようでした。途中からもしかしてこの２人は…とか韓国ドラマ的展開になりそうでならなそうでもしかしてそうだったのか？見終わった今も分かりません。シンが本当の声でアヴェマリア歌う時、綺麗な声すぎて吹き出しました。でも昔の話を知ると笑い事ではないのですが。脇役の俳優さんたちがいつものメンバーで絶妙な演技なのであのなかで主役というのは自分が吉岡里帆だったら逃げ出したくなるでしょう。なんだか冷や汗かきました。シリアスなようなギャグのようなハチャメチャ展開で、流血あり、グロテスクなアイスクリームあり韓国ドラマありという感じです。キスのシーン、あの長い時間て斬新すぎて、しかも隣の人は気がついてないし、最初笑いましたが早く終わらせてあげてと最後祈っている自分がいました。三木聡監督の作品は元気を出したくて観ることが多いですが、こちらは元気があって頭が冴えている時に見たいです。そして監督が何を伝えたかったのか自分なりに思いつきたいです。田中哲司さんがいつもと見た目違いすぎるし演技も好きでした。

ロックスターのシンは声帯ドーピングをしており、喉を酷使しすぎたために、血を吐くこともしばしばです。水を吹き出すように口から血しぶきを出す様はある意味とてもロックな雰囲気がありました。阿部サダヲさんが好きで出演作品は様々観てきました。どちらかというとお調子者だったり、面白い役が多い方ですが、今回のシンはとてもかっこいい、２枚目な雰囲気を醸し出しています。阿部サダヲさんファンにとっても彼の演じるシンは新鮮なものに映ると思います。声の小さいストリートミュージシャンのふうかを吉岡里帆さんが演じます。本当に蚊の鳴くような小さな声で最初は歌を歌っていて、面白かったです。また、千葉雄大さんがシンのマネージャーの坂口を演じています。冒頭のシーンでは、坂口はシンからとてもかわいそうなやられようです。しかし、それで終わる坂口ではないところもとてもよかったです。千葉さんと田中哲司さんのシーンがなかなかに刺激的でした。気づけば舞台が海外にうつっているので、意外とスケールの大きい作品でもあります。この映画はややバイオレンスなシーンもありますが、映画でしか描けない世界観だと思いました。現代を描いている作品ですが、どこか現実離れした雰囲気を存分に味わえます。

熱狂的なファンがいるロックシンガーのシン。路上ライブをしているストリートミュージシャン、ふうか。歌いたいのに声が出なくてドーピングを続けるシン。ボーカルなのに大きい声が出せない、ふうか。全然接点がない2人なのにある事故によって出会い２人の人生が動き出しました。ふうかは、大きな声を出すなんてバカみたいと思っているが歌と声は良いのでシンはどうにかして大きな声で叫ばそうとあらゆることをしました。自分が声を無くしても2人で作った歌をふうかに歌をうたうように言いました。こんなふうに、人に想ってもらうなんて幸せなことなのに、なかなか本気を出さないふうかに親近感が湧いたりしました。本気を出すのって恥ずかしいとか思ったりするのかなと。喉の手術を受けるために向かった韓国で事件が起こります。2人は離れ離れになってしまいましたが、お互いを想っていてふうかは歌を完成させて日本で叫び歌うシンガーになっていました。2人が繋がってるというか、離れていてもお互いを感じているのかなと思いました。この2人のように才能があってもやれない人、才能があるのにやらない人大きな違いがありますが逃げる言い訳ばかりしないで、きっかけさえあれば前に進めるのだと思いました。このきっかけが無くても自分のやりたい事をする、前に進める勇気が欲しいなと思いました。