先人たちの底力 知恵泉の見逃し無料動画配信と再放送情報6/16紫式部｜Youtube/Dailymotion/Pandora/Miomio/9tsuよりオススメ

こじらせ系の男性編の菅原道真に続く、女子編ともいえる紫式部に焦点を当てた番組で興味深いです。なぜなら、あまりにも有名な『源氏物語』ですが、官能的な表現を多く含み、またさまざまな解釈が出来ることから、学校の古典の授業などでも馴染みがないからです。『枕草子』といえば学校で習った『春はあけぼの』の一節を誰もが思い浮かべますが、『源氏物語』は登場人物こそ知れど、実際どんな内容なのか、歴史に興味がある私でもあまり知らないです。それだけでなく、紫式部には平安時代の昔から、出る杭は打たれる、個性を出し過ぎると生きづらいという現代社会に通じる人間模様があり、特に当時の日本の女性の役割を考えたとき、彼女が作家として大成するにはきっと並々ならぬ孤独感があったと思います。昔、古典の教師から「源氏物語」は今なら間違いなくノーベル文学賞を獲れると聞きました。そういった個性を大切にしていた時代が去って、画一化された世の中になりつつあること、少しの危惧を覚えます。もちろん男女平等などは素晴らしいですが、個性というものを大切にしていくことで、現代の日本社会がもっと健康的で、そして個性豊かな人材が数多く育まれると思うんです。そんなことを考えるきっかけになる番組です。

今回は源氏物語の作者である清少納言を取り上げていました。彼女は才女だったと思いますが、意外にもこじらせ女子だったようです。ネガティブ思考が強い人は性別に関係なく存在しますが、それを個性と捉えて、良い面を伸ばしていくようにするのが良いと思いました。清少納言は5カ月間、引きこもり生活をしていたようですし、いまでいういじめにも遭っていたようです。ですが、彼女は自分だけは自分のことをきちんと認めてあげることが出来たことで、彼女自身が変わり、周りの見る目も変わって行ったのだと思いました。ネガティブの度合いは個人差がありますが、誰もが多少はこじらせている部分はあると思います。ですが、そこに固執せずに、自ら何かを変えていく必要があるのではないかと思いました。確かに無い面が変わると、見た目の印象も変わって行きます。ゲストが男性にモテない悩みを話していましたが、それは内面のネガティブな思考もかなり影響しているように感じました。一つでも良いので、自分の好きなところを見つけて行くことで、それが自信に繋がっていくと思います。また言葉を言いかえれば、自意識過剰すぎるところがあるようにも見えました。他人の評価を基準として生きるのではなく、自分を基準として生きていくことによって、かなり意識が変わってくると思います。人生はいろいろな経験をしている人の方が、深みがありますし、特に芸事には生きてくるように感じています。なので、ネガティブ思考になったら、同時にその反対の事も意識的に考えていくのが良いのではないかと思いました。

平安時代と言えば、優雅に詩を詠む人々をイメージする人が多いかもしれませんが実はそうではなかったようです。紫式部と言えば平安時代の女流作家として有名です。この時代に学がある女性は職場でどのように過ごしていたのか、これが今回の知恵泉の見どころでした。紫式部は中宮に仕えるという職に就いていたのですが、平安時代の中宮という場所は女だらけのドロドロとした環境だったそうです。そんな環境の中に放り込まれた紫式部がどんな経験をしたのかという経験を通して現在との違いはもちろん、今と通じるところも感じ取っていくことができました。文才がある紫式部は宮仕えする前に、すでに中宮に仕えていた女中達から良い印象を持たれていなかったようです。なぜかというと「学があるから」です。当時は漢字は男性のみに使われるもので、その勉強も女性にはされませんでしたが、父親が兄に教えていたことを紫式部があっさりと覚えてしまったことから父親には「お前が男に生まれなかったことが残念でならない」などと言われていたというエピソードからも分かるように、男尊女卑が強い時代だったといえます。不遇ともいえる環境に飛び込んだ紫式部がこじらせ女子と揶揄される理由には、毒っ気があったことから始まるのではないかと私は思いました。藤原道長は職場の上司にあたる存在ですが、今ではパワハラのような言葉を紫式部にかけることもありましたし、周りの女中たちも学のある紫式部はいけ好かないと、初めから強い態度で接したのかもしれません。しかし、どんな環境に置かれても自分の毒っ気を生かし、経験をフィクションの物語に落とし込むことで、当時の職場の同僚の誰よりも有名になった紫式部は現代を生きる私達に勇気をくれます。何が正しいかではなく、何が自分らしいかということを考えてこれからを生きていきたいと思わせてくれる番組でした。

たまたま点けたテレビで、やっていた紫式部を取り上げた番組。お題目が「紫式部　“こじらせ女子が自分らしく生きる極意”」というのに驚き見てみました。紫式部＝源氏物語、というイメージしかない者にとって、「こじらせ女子」というイメージは、？（はてな）名門出身でいろんな習い事も身につけ、宮仕えもした紫式部ですが、源氏物語を書き始めるまでの人生にはいろんな事があったようです。人というのは、何歳になっても自分の生き方をどこかで確認するものなのでしょう。宮仕えもしながら、沢山の人の中で一人の人間としての自分を見つめ生きてきた紫式部。絵巻物に描かれた平安時代の様子も映し出されながらの番組進行がまた面白い！人生に起こることや、仕事もし、結婚もし、子育てもし、ステイホームで書き上げた源氏物語の現代にも通じる恋愛模様。途中から、酒井順子さんが書かれた本の中の文章も引用されながら、紫式部の内面や人生があらわになっていきます。それととて、一ファンの想像を超えるものではないかもしれませんが、酒井順子さんの文章がお好きな方にとっても、一緒に楽しめる進行になりそうです。学生時代に勉強してから何年かが過ぎたことか？それほど詳しくない私にとっても楽しめたのは、この回の出演者に、石田衣良さんとたんぽぽの川村さんがいらしたことも一因と言えそうです。

このテーマのゲストが川村さんというところはツボでした。川村さんほどではないですが、私も私自身のネガティブ要素を消したいなと思うことがあります。華やかな場所に身を置く才女というのが紫式部のイメージでしたが、実は超ネガティブ思考なこじらせ女子だったということを知ると、ぐっと身近に感じます。「マイナス思考になってしまうのは、自分に自信がないから」と言っていた川村さんの話は、うなずきながら聞いてしまいました。人や物事を観察することによりそれを克服してきたというのは、ちょっと疲れてしまいそうですが現代の私たちにも生かせることですね。どうにもできないことの多い階級社会に身を置きながら、自分は自分だと考えようとした紫式部の強さは凄いと感じました。古典は、言葉の印象からとても難しいもののように感じて手に取ることがありませんでしたが、時代背景が違うだけでいつ生きた人も今の私たちと変わらない悩みを持っていたと知り、ハードルが下がった気がします。紫式部日記、番組内に使われていたマンガがとても分かりやすかったですし、読んでみたいと思いました。石田衣良さんがお話しされていたように、彼女が現代に生きてSNSをやっていたとしたら…。アナログの日記でもデジタルでも、文字に残すということは怖いななんてことも思いました。

かの源氏物語を著した紫式部といえば、どんなイメージをお持ちでしょうか。あの光源氏とそれを取り巻く女性たちの愛憎を描いた紫式部ですから、さぞやリア充的な生き方をしていたのだろうとお考えの方も多いのではないかと思います。しかし、紫式部は現代で言う「こじらせ女子」でした。リア充とは真逆の、自分の出自に悩んだり、そもそも一挙手一投足が他の人にどう思われるかが気になって仕方がない、被害妄想の強い女性だったというのです。今回登場するゲストは、お笑い芸人の川村エミコさん。自身の持ちネタと、紫式部の考え方がとてもリンクしています。彼女のギャグを笑ったり共感したりされる方もいらっしゃると思いますが、1000年も前の紫式部が、その先端をいっていました。必見です。そして解説は直木賞作家の石田衣良先生、京都先端科学大教授の山本淳子先生で、それぞれ現代社会を鋭く描く小説家と、紫式部に造詣の深い大学教授の意見が的確で、川村エミコさんや紫式部の生き方がとても心に染み入ってきます。源氏物語は古典だし長くて大変、という方でも、この番組を見てまずは紫式部という人物のことから知っていくと、違った世界が広がるのではないかと思います。