トリック新作スペシャル2(ドラマ)の無料動画フル配信｜DVDレンタルよりオススメ

「六墓村」や「亀山歌」に続く、横溝正史ミステリーのパロディ全開ですね！久々にトリックらしさを感じさせる作品でした。

呪いの子守歌、正に横溝正史の世界です。彼自身が岡山に疎開していたこともあり映画も多数岡山で撮られています。なので岡山を舞台としてトリックの撮影も行われるなんて、同県民としては嬉しい限りでした。いつもバラエティ要素抜群のトリックですが、ちゃんと金田一耕助シリーズに流れるおどろおどろしさも再現されていていいです。怖いものが苦手な方は映画館とかでは見ない方がいいかも、小さな村での愛憎劇って怖いものです。恋愛成就を願う風習って珍しいかも、髪の毛って昔の人形とかにも使われていますがなんか気持ち悪いのですよね。恋が叶うと言いながらも、相手が同じように願掛けをしなかったら死んでしまうという言い伝えには矛盾を感じました。両想いになっているんですから、同じことをせずともいいのではないでしょうか。実験台とさせられるなんて奈緒子が可哀そう、推理は冴えるのにこういったところで簡単に騙されてしまう姿は微笑ましいです。報酬として５億もの研究費、大学教授としてやらないわけがありません。田舎のお金持ちがなんでこんなにもお金を持っているのかは謎でした。結局は子供を愛する母親が犯人、我が子のためなら人間の子供を殺してしまうという鬼子母神を思わせられました。

浅野ゆうこさんが、敵の主演です。子守唄による見立て殺人の話で、なんだか金田一少年みたいと思いました。ねんねんころりねんころりとそのあと、怖い歌詞が続いて、たしかに子守唄って怖い歌詞が多いなと気づきました。体の一部を互いに交換して結ぶという伝説の話では、矢部刑事や山田に呪いが起きなかった理由がそれぞれおもしろかったです。矢部刑事といえば、偽の髪で、なんか関係しそうだなと思ったら、案の定、呪いに関係してきてよかったです。劇場版とか特別編だと矢部刑事らがあまり目立たないのですが、今回は結構出てきててうれしかったです。山田と上田も今まで通り、仲がいいし、上田は山田を騙して村に連れてきているし、これぞトリックと思いました。浅野さんが女の子たちを殺していった理由はよくわかりませんでした。せいいちさんと女の子たちが子供を作るのが嫌なのなら、ふたりをひっつけなきゃいいだけだし、殺す意味はどこにあったのかわかりません。あまり話に説得力はありませんでした。でもトリックらしい小ネタもあり、出ているゲストキャラの役者さんもおもしろい人が多くて、楽しかったです。山田と上田がラブラブと勘違いされるという展開もあり、二人のファンには嬉しい限りでした。

今回のトリックは、奈緒子のはっちゃけぶりが少ないかな？と思いましたが、その分小ネタがたくさん散りばめられていてとても面白かったです。やや落ち着いた奈緒子も色気があってそれはそれで美しかったですけどね。序盤から飛ばしすぎているのでは！？と思えるほどでしたが、最後の最後まで小ネタ満載で満足いくドラマでした。もちろんただ面白いだけの内容ではなく、ほろりとしてしまうシーンもありました。浅野ゆう子さんはやっぱり上手ですよね。彼女の演技には目を見張るものがあります。愛情が深すぎて狂気じみていく母親というのがとても上手に描かれていたと思います。ドラマの内容自体は、誰が犯人なんだろう？と推理するよりは、中盤当たりから恐らくこの人かな？と勘付く感じの方が多いものだと思います。だからこそ、演じている役者一人一人の演技に集中して見れるというのが良い所。それぞれの心情や立場、焦りや不安が上手く表現されていると感じました。奈緒子と上田はもうできてるんじゃないの？と思えるようなラストにはふいにどきっとさせられました。2人とも早く一緒になっちゃえばいいのにと微笑ましく感じたほどです。トリックシリーズはどれも面白いですが、今回の作品ほど愛に触れたものはなかったのではないかと思います。

堤監督作品、大人気ドラマ『トリック』の『新作スペシャル2』の舞台となる、山奥にある寒村から一人の青年が物理学者・上田次郎の元へやってくるところから始まります。寒村には昔からある言い伝えがあり、それが迷信であるということを証明するため、上田と山田は寒村に向かいます。村では「契り祭り」という男女の恋を応援するお祭りが開かれており、終始明るい雰囲気なのですが、ある女性の登場によって空気が一変します。横溝正史作品・金田一耕助リーズの『獄門島』のように、彼女が歌う子守歌の内容に沿って、一人、また一人と犠牲者が増えていきます。『トリック』のドラマから全ての作品を見ておりますが、『トリック新作スペシャル2』で被害者が映るシーンは鬼気迫るものがあり、個人的には一番怖いと感じている作品です。そういった怖いシーンや、上田と山田のコミカルな掛け合い、所々に挟まるギャグなどがありながら、最後は思わずグッとくる。けれども、何処か後味の悪い終わり方をする。そんな『トリック』シリーズの良さもたっぷり詰まっています。『トリック』シリーズが好きな方、俳優陣を好きな方はもちろんのこと、金田一耕助シリーズが好きな方に、特にオススメしたい作品です。

まだ若い感じのある浅野ゆう子さんが観れるちょっとレアな作品であるのが個人的に気に入っている作品で彼女が作中で歌っていた子守唄の歌詞が気味の悪い印象が強くて作品全体に不穏な空気感が漂っていましたが、所々にトリックらしい面白いものがたくさん盛り込んでいて楽しめる内容でした。のど自慢大会らしいものでは秋元康という習字でライトな紹介にしているのがシュールで良かったです。枯れ木で覆われているような森の中で死体があったりとちょっと怖い情景がどうしても気持ち悪く見えてしまいましたが、謎解きのくだりはとにかく山田演じる仲間由紀恵さんがスマートでかっこよかったです。そんな仲間由紀恵さんが飯がうまくてすかさずタッパに入れようとするケチくさい演出が可愛らしくてつい笑ってしまいました。途中子守唄の歌詞が書いてある本を読んでいる最中に誰かにやられてしまったときはなかなかないピンチな瞬間だったのですが展開がスピーディーで臨場感がありました。このシリーズではおなじみとなっている生瀬勝久さん演じる矢部刑事のカツラの動きも今回の作中でも健在でちょこっとだけですがそろりと動く場面は観ていて全てカツラがとれてしまわないかハラハラしてしまいました。

堤幸彦監督の人気シリーズです。山田&上田のコンビはもちろん、個性的なキャラクター、小ネタあり、2時間で楽しむことが出来ます。今回は地方の村の祭りが舞台です。「契り祭り」ですが、この「ちぎり」という言葉がしつこくセリフに出てきます。シリーズのファンにとっては、このしつこさは堪りません。この祭りに山田&上田を呼ぶ青年は永山絢斗さんです。もっさりした話し方がまた面白いです。ダントツで雰囲気を持っていたのは浅野温子さん。淡々とした話し方で、怖いもの見たさから目が離せません。浅野温子さんと少し絡む役どころで、秋元康さんが出演しているのも見どころのひとつです。放送当時はAKBの勢いがあった頃だったように記憶しています。今回の要は親子愛だと思います。母親独特の、息子の愛し方ってあると思います。周りが見えなくなってしまう感じ。それが悪い方に出てしまう描写もありますが、それを超越するような描写もあります。悲しいですが、そこへ進まざるを得ない。見応えがありました。いちばん面白く見たシーンは野際陽子さんです。人の陰湿なシーンを見ると、お母さんの金銭的欲求は健全なものに思えてくるから不思議です。ご逝去されたなんて信じられませんが、作品の中で何度でも会えることはうれしいですね。個人的な趣味でいえば、国の重要文化財となる古民家での撮影も驚きました。雰囲気がある建物なので、好きな方は気にかけて見てほしいです。